| 『リング』という先駆者がありながら、ジャパニーズ・ホラーをアメリカに根付かせた功労者は間違いなくこの『THE
JUON/呪怨』だ。ハリウッド・ホラーの巨匠、サム・ライミをして唸らせた、日本の「恐怖」はハリウッドが最も欲しい要素のひとつだった。 |
| 「僕は最初断ったんですよ、リメイクの話を。でも、今回の話を受けた理由は、あくまで日本の恐怖をハリウッドに持ち込みたいというこだわりを制作陣が持っていたからなんです。サム・ライミが「アメリカ人が持ち得ていないような、ジトジトした湿っぽいジャパニーズ・ホラー独特の澱んだテイストをアメリカに持ち込んでほしい」そう言ってくれたからですね。だから、「この話はやりがいがある!」と僕も俄然やる気になったんですよ。だから、恐怖の対象を描く術にはこだわりましたね。」 |
| アメリカでも数多くのホラーが作られているが、アメリカ人が抱く恐怖と日本人が抱く恐怖の違いを監督も懸念していた。 |
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「日本では黒髪に白装束がお決まりのパターンですけど、アメリカ人にはそれがない。アメリカで言うゴーストは、日本の幽霊とは違うんですよ。どちらかというと精霊的な、恨みつらみだけじゃない神秘性がありますよね、ゴーストや妖精には。例えば悪魔という存在がいたとすると、それははっきりと自分に向かってくる、もしくは自分を迫害しようとする意志を持った邪悪な存在だと言えるんです。もちろんそれが恐いのですが、日本の幽霊の場合は受け手が感じる感覚的なものがまるで違う。自分が何も悪いことをしなくても、何か訴えかけようとしているんじゃないかとか、そこにいるだけで何かおこりそうだとか、何かあって出てきたんじゃないかとか、すぐ「恐さ」につながっちゃいますから。だから、モノ言わぬ、意志がこちらに届かない恐怖は日本の幽霊の象徴的なところでしょうね。」 |
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| 清水監督は、日本人とアメリカ人がそれぞれ抱く「恐怖感」の違いについて、やはり入念に考えていた。文化が違えば、信仰もさまざま。だからこそ、サム・ライミと監督の間では「日本の、黒髪の幽霊像」へのこだわりが強かったという。 |
「「黒髪のお化けじゃないと恐く撮れる自信はないよ」、僕は最初からサムにはそう伝えていました。すると、彼らも伽椰子と俊雄の役は同じ人で同じようにいきたいんだと答えた。そこは考えが一致しているなと思いました。でもアメリカで撮影しても、なぜアメリカに日本人の幽霊が出てくるんだ?と言うご都合主義になっちゃいますよね。であれば、まず撮影地は日本、人物設定は「アメリカから日本へやってきた留学生や家族が、言葉も文化も違う自分達を受け入れてくれるかもわからない環境」という孤立したシチュエーションに絞ったんです。そういった孤立感の中で描くことで、普通にアメリカで見る人も恐いと思うんじゃないか、と。」

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