 |
 |
ジェフ・ミルズが毎年10月にWombで行なう4週連続のレジデンシー・パーティ「Time Sensitive」でも彼はコンセプチュアルにアプローチしている。ここでジェフ・ミルズが伝えようとしていることは、何なのか?Time Sensitiveとは、「時に敏感であれ」という意味を込められてつけられた名前。これは、DJの真髄、DJは「時に敏感でなくてはならない職業」なのだと、ジェフ・ミルズは言う。 Time Sensitive'04の締めくくりとして、日本が誇るテクノ・アーティスト。ケンイシイとDVJを使用しDVDをミックスするという。すなわち聴覚のみならず視覚までもDJがコントロールする試みにチャレンジするのだ。 以前、ジェフ・ミルズとの対話の中で「エレクトロニック・ミュージックのさらなる可能性」についてディスカッションを交わしたことがある。そのときに、「嗅覚を使った表現はできないだろうか?」という突拍子もない質問をしてしまった。すると、ジェフ・ミルズは「もし、嗅覚を使ってダンス・ミュージックを聴いているときと同じ感覚を与えることができるのなら・・・」と、その可能性を否定することなく貪欲に「明日」を見つめていた。 |
 |
今回のパーティ前、筆者の「なぜ今回のような試みにチャレンジするのか?」との問いかけに、あっさりと「誰もやっていないことだから」と答えてくれた。そしてジェフ・ミルズは言った、「テクノ・パーティの新しいカタチを創りだしたいんだ」と。 ジェフ・ミルズは今回のパートナー、ケンイシイを「常に新しい可能性を切り拓いていくアーティスト」と称し、「それはとても重要なことだ」と付け加えた。そして、ケンイシイはジェフ・ミルズを「先輩」と形容した。日本のテクノ黎明期を支えてきたケンイシイにとって、お手本のような存在だったのだという。この二人がともに誰も踏み込んだことのない領域へ向かうのもごく自然なことなのかもしれない。誰も踏み込んだことのないところへ、行くのが彼らの「習性」なのだから。 |
 |
今回の試みを思いついた理由を訊いてみた。「DVJを使うことはDJに可能性を与えてくれた。DJがよりコンセプチュアルにできるようになると思う。実際にオーディエンスが見ている映像に音楽をつけるような感覚でプレイすることもできるし、一度に影響を与えることができる知覚が増えることによって、より強くメッセージを伝えることができる。」これは、いかにもジェフ・ミルズらしい一言だ。 そして、彼はここで意外な一言を付け加えた。「実はフロアの温度も調節するんだ。それによって、3つ目の知覚を刺激することが可能になった」と。 |
 |
| さらに、ミルズ夫人が一枚のノートを見せてくれた。そこには当日の照明への指示が分刻みのスケジュールでびっしりと書きつめられていた。 |
 |
3:05 地球の映像を映すのでブルーの照明を 3:15 自然の映像を映すので赤の照明 3:25 ストロボだけ ・・・・ |