葉加瀬太郎【アコースティックコンサートツアー2008 Classical Tuning】ツアースペシャルサイト
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インタビュー
葉加瀬太郎

- 最新作『Classical Tuning』の制作準備に入った2007年秋から、生活の拠点をロンドンに移したとのことですが、そもそも、なぜ、海外で暮らそうと思ったのでしょうか?

「まず、ヴァイオリンで何ができるかっていうのが、僕にとっての永遠のテーマなんです。そして、もっとヴァイオリンの演奏力、表現力を高めたい。そのためには、自分のルーツであるクラシック音楽、なかでもブラームスを中心とするロマン派の音楽に、もう一度、真正面から向き合いたい。1日中、1歩も外に出ないで、ヴァイオリンと向き合う環境を作るのは、日本じゃ難しいんですよね」

- ロンドンを選んだ理由は?

「かつて『Walking with You』(1998年)と『DUETS』(1999年)というアルバムを作った時に、ひんぱんにロンドンに行っていて、1人でバスに乗ってスタジオに通ったり、生活をした実感があった。街そのものがすごく気に入って、いつか住みたいなと思っていたんです。あとは、ロンドンで2回、パリで1回、コンサートをやってるんですが、海外で勝負したいっていう気持ちもあって、世界に発信するためには、やはり英語圏でという理由も大きかったと思う」

- 最新作では、クラシカルな、アコースティックな音作りが核になっていますが、きっかけとなったものは?

「まず、「春をどうぞ」という楽曲が指針になったんですね。アルバムの制作以前に、ドラマのテーマ曲として、柏木広樹にプロディースしてもらって、2007年暮れに録ったんです。そこで、今回のアルバムの流れが見えてきました。同じように、「ネバー・ギブ・アップ」という曲が化粧品のCMのために15秒、「エイジアン・フロウ」という曲がNHK「日めくり万葉集」のテーマとして15秒作ってあって、それも曲としてまとめたいなと」

- 一方「見上げてごらん夜の星を」、あるいは、ジャーニーの「オープン・アームス」もカバーしていますよね?

「アルバムのテーマとして、クラシカルなフィーリングっていうのがあって、サウンド面では、ストリングス・セクションと僕という形が、僕が今、いちばん求めているものだったんですけど。クラシックということの意味として、もうひとつ、僕の中での永遠のスタンダード、大好きな曲、大切な曲というものがある。それに対して自分のバージョンを作りたかった。「見上げてごらん夜の星を」は、森山良子さんのコンサートに呼んでいただいて、森山さんが歌うのを聴いて感動した曲でもあり、ジャーニーのあの曲は、なぜか、中学、高校ぐらいの時、唯一、カセットテープで持っていて、ピアノに向かうと、いまだに、そのイントロを弾いちゃう」

- もちろん、クラシックの大定番曲も!

「今回入れた「前奏曲とアレグロ」なんて、初めて弾いたのが小学校6年生の時ですから。「タイースの瞑想曲」もKRYZLER&KOMPANYのライヴで、アコースティックでいつも弾いていたし。他の曲も含め、自分のルーツをさらけ出して、かなり恥ずかしいところもあるね」

- 全体としては、バラエティに富む内容になっていると思いますが?

「アコーステッィクだ、打ち込みだ、うんぬんではない、なにか共通のものを探している。音楽から要らないものを取り去っていきたい。生活がちゃんとしていれば、その中から生まれてくる音楽が、きっとあるだろうと思うし。生まれてくるのを待てばいいという心境なんですね。すごくぜいたくなことを言ってるんですけど、迷いのないものを世に出していきたい。ここから、また新たなスタートだなと思います」

インタビュー : 渡辺 淳

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