レミオロメン
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INTERVIEW 1 2
Excite: 前作もそうだけど、今回も曲のニュアンスを本当に大切にしてますよね。
藤 巻: そうですね。大事にしているところはあったかもしれないですね。ただ、カチカチ鳴ってるクリックに合わせて演奏するんじゃなく、歌なんかも、その世界の中で歌うっていうことは意識しましたし。最終的に、ダイナミズムが大きい曲になったので、サビで声が歪んじゃったんですよ。でも、その歪みもニュアンスとしてはありだったので、活かしてあったり。そういうものが心の中にあるギザギザした感じ、取れない痛みだったり、そういう切ないものに変わって行ったりする部分もあるだろうし、そういうニュアンスみたいなものを、すごく信じることが出来ましたね。
Excite: 藤巻君の歌に関して、前回、今回と声の表情や深みが増しているように思うんですけど。
藤 巻: なんか、「歌うことが楽しい」って思えるんですよね。歌うことは、昔から面白いなとは思っていたんですけど、伝わり易くする為には、ある程度の技術は必要だろうし、実際、そういう部分を意識した時期もありました。理想と現実の差みたいなものを見て、ヘコんだこともあったりもしたんですけど、自分の声は自分にしか出せないニュアンスで歌うのが自然だし、下手な部分も良さに変わる瞬間はあると思うし。喉が開いて、息が出て来て、「さあ、歌います」っていう間に、色んな邪魔なものをシャット・アウトした方が良いなと思ったんです。つまり、“迷わずに歌う”っていうことですよね。そういうことって、難しいと思うんですけど、「気持ちを圧迫しないような、歌い方をしたいな」と思ってますね。
前 田: 『ether[エーテル]』以降、「亮太君が変わったな」って思うのは、1曲1曲の世界とかそのイメージに入って行く、声の役者みたいなアプローチがあって、それによって僕らも演奏し易くなってるんですね。だから、深みというか、1曲にもっともっと意味を込められるようになってる。どんな曲であっても良くして行くっていう、そんなイメージ。だから、しっかり、その世界に浸る演奏力や歌唱力、あと集中力なんかが出て来たな、と。その点は『ether[エーテル]』以降、明らかに違いますもんね。でも、『ether[エーテル]』も『朝顔』の頃に比べると、全然違うんですよ。だから、ポコンポコンって3個の時代があるっていう。
Excite: 今回の3曲に関しても、曲調の違いはあるにせよ…。
藤 巻: そう。3曲共に、歌ってるニュアンスが全然違うんですよ。声って、やっぱり感情移入し易いと思うんです。楽器っていうものもありますけど、声は“人”っていう部分が一番感じられるものだと思うんです。人が自然に音楽を聴くとき、まずは何を聴くかっていうと、一番波長が合いやすいのは“声”だと思うんです。だから、その声、歌に関しては、「より細かいニュアンスを提供出来たら良いな」と思っているんですけどね。
前 田: あるジャズ・ミュージシャンのライナー・ノーツに書いてあったんですけど、楽器って、口から離れるにつれ、感情を入れるのが難しくなるんですって。逆に言えば、その最高の楽器が歌なんですよ。歌って、誰でも歌えるじゃないですか。そこがデカいんじゃないですかね。
神宮司: 今の話からすると、ドラムが口から一番遠いですからね。だから、もう、色んな曲を演って来て、ドラムでどういう風に表現して行くかっていうのは、なかなか難しくて。最初は、その曲を成り立たせる為に叩くことに精一杯、で、段々と一つのタイコを叩く位置によって音のニュアンスが変わって来るし、叩く強弱によって表情が出たり、色んな奏法があったりするんで、「まだまだ、研究や練習の余地があるな」と思っているんです。そういった意味では、表現に無限の可能性があると思うんですよ。今は少ないドラム・セットで演っているんですけど、それがタイコ一つ、シンバルが一つ増えたりすることで、音も、奏法も変わって来るだろうし。大変だけど、やりがいはありますよね。
Excite: 実際に、今回、叩き方を変えて、曲のニュアンスを変えることに成功したわけで。
神宮司: 今回は、「タイコがもう一つあったらニュアンスが出せるかな」ってところで、実は、いつもよりタイコを一つ多く使ってるんですよ。
Excite: なるほど〜。そういう工夫があったわけですか。一方、カップリングの「No Border」と「3/9 with Quartet」についてですが。
藤 巻: この2曲に関しては、『ether[エーテル]』以降、“エンタテインメント”っていう部分での意識が変わった部分もあったと思うんですよ。ツアーに出て、お客さんの「この場所を楽しみたい」っていう意識を感じられる時も出て来たと思うし、「そういうお客さんの時間を素敵な時間にしたい」っていう想いが出て来たと思うんですよ。その想いが特に「No Border」では、良い形で表れているんじゃないかな、と。
Excite: そうですね。この時期、こういうキラキラしたアレンジの曲が出て来たら、“クリスマス”と一言も言ってなくとも、クリスマスのことが思い浮かびますもんね。
藤 巻: そう。サウンドだけは、すごくクリスマスっぽいけど、詩に関しては、「敢えてそこに行かないようにしよう」と思ったんですよね。
Excite: あと、この曲に関しては、そのポップ感がギター・ロック・バンド的なものっていうより、例えば、ビーチ・ボーイズであったり、大瀧詠一さんみたいな、そういうものに近いのかな、と。
神宮司治
藤 巻: その点は意識した部分でもあって。「No Border」っていうタイトルは、「ロックだけじゃない、音楽の良さっていうのも一杯あるんだよ」って言うことでもあるんです。僕は(山下)達郎さんのベストとかを聴いてたりもするんですけど、ロックがどうのこうのじゃなく、「素晴らしい音楽は素晴らしい」っていう。そういうものに魅せられて、自分たちが変わって行くって事は大いにあり得るし、「そういう気持ちを持ちたい」っていうところが『ether』以降の大きな変化だと思うし。何でもありっていうと、ニュアンスが難しくなってしまいますけど、「何かやりたい」っていう気持ちに関しては「No Border」でありたいと思うし、歌詞で言葉遊びを入れたのも、この曲が初めてだったし。何かを超えるっていう部分で、明るく超えて行けた曲だと思います。
Excite: 名曲「3月9日」をピアノとストリングス、それから打ち込みという形態でリアレンジした「3/9 with Quartet」だけど、これを改めて演ろうと思ったのは?
藤 巻: 「3月9日」をレコーディングした時にも、「3人以外の音も合うんじゃないか」っていう話があったんですけど、その時は素朴さや温かさを含めて、そこにある紛れもないバンド感を出して完成させたじゃないですか。でも、『ether[エーテル]』以降、「じゃあ、今やったらどうなんだろう?」っていう部分も出て来て。このアレンジは小林さん主導だったんですけど、弦のニュアンスにヴォーカルが引っ張られて行ったっていうことが、すごく勉強になって。声をそんなに張らず、弦に寄り添っていく歌い方がすごく新鮮で、ちょっと大人な「3月9日」になったんじゃないか、と。
Excite: しかも、途中から打ち込みが入って来るっていう驚きがありつつ。この2曲を聴くと、音楽を楽しむための遊びに、バンドの余裕を感じるんですけど、今後のレミオロメンに関しては?
藤 巻: 来年1月末からツアーがあるんですけど、後はレコーディングになるんじゃないですかねぇ。まだ出る感じはしないんですけど(笑)。それに向けて、制作していきたいですね。
Excite: それから神宮司君は、このExcite Musicで、レミオロメン 神宮司治のほのぼのブログ「続・神宮司の司は寺じゃない!!」を再開したわけですが。
神宮司: そう。『蒼の世界』のリリース・タイミングからですね。その前の3ヶ月くらいはお休みさせて頂いていたんですけど、再開してから、以前より沢山の人が見てくれてるみたいで、嬉しいですよね(笑)。最近はリリースが続いてて、プロモーションで忙しいので、なかなか毎日は更新出来ないんですけど、更新すると、トラック・バックを一杯してくれるので、合間を見て、コメントを読ませて頂いていて。そういうのは楽しいですよね。ファンの人たちの生の声って、あんまり聞ける機会がないじゃないですか。だから、こういう場で聞けたり読めたりするのは、すごく新鮮だし、「どういう風に、僕たちのことを見てくれているのかな」とか、「その人たちにとって僕たちは、どんな存在なのかな」とか、そういうことが確認出来たり、共有出来たりするのが良いなと思うし、大切にして行けたらなと思いますね。音楽をやっていく上で、ライヴもそうだし、作品にしてもそうなんですけど、沢山の人に聴いてもらえて、共感してもらえたら嬉しいし、そういう意味で、僕のやってるブログが一つのツールとして皆さんと繋がることが出来たら良いですね。
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