斉藤和義
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斉藤和義 斉藤和義
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Excite: “弾き語りでも成立する曲”っていうことに関して、もう少しお話を聞かせてください。
斉 藤: これにこだわるのは、自分がギタリストとしての意識が強かったりするからなのかな。もちろん、歌も好きだから歌ってるわけですけど、ギターの方がもっと好きなんですよ。だから、単純にギタリストとしてのプライドみたいなものがどこかにあって、アレンジした曲でも、「ギター1本で、こんな風にやれるんだよ」っていうところを、自分で自分に証明したいところもあったりして。そういう意識が、“弾き語りでも成立する曲”にこだわる理由なんですけどね。僕の曲は、「ギターのこのリフを聴かせたい」っていうギター先行型の曲も多かったり、自分の中でも『黒盤』にはそういう曲が多く入ってるイメージがありますね。聴いた感じとしては、サラッと聴き流せるんだけど、ギター・テクニック的には、「実は、結構難しいんだよ」っていう、そういう曲もあったりするので。
Excite: 今回、アルバムの特典に、収録曲のソング・ブックが付くのは、ギタリストとしての斉藤さんに焦点を当てる意味合いで?
斉藤和義
斉 藤: うん、そうですね。アイディア自体は、スタッフから提案されたんですけど、僕のリスナーには、ギターをやってる人が多そうなので、ソング・ブックを付けるのは大賛成で。いわゆる歌本だと、前奏や間奏、後奏などのコードを省略したものが多いんですけど、今回は、そういうものも全部入れようっていうことになりましたね。
Excite: 逆に『白盤』、『黒盤』に問わず、曲ごとで見た時、大きな違いがあるとすれば、その時期ごとの曲の録り方、鳴らし方、更には、その空気感なのかなと。
斉 藤: 確かに、録っている時の音が違うかもしれませんね。それは、エンジニアの違いもあるけど、「その時の好みで、音が如実に出ているな」とは思っていて。例えば、(2000年作の)『COLD TUBE』の時は、音を切ったり貼ったり出来るプロ・ツールス(※パソコンに音を取り込み、編集・加工する為のパソコン編集ソフト)の影響で、「コラージュっぽい感じでやりたい」っていう時期だったし。音数にしても、すごくシンプルな作品を作った後は、カラフルにダビングした作品を作ったり…。「そういうパターンの繰り返しだなぁ」とか思ったりするね。シングルは多くの人に届ける為に、説明的な要素を盛り込んだりするし、一方でシングル・カップリング曲は、一番自由に出来る感じがあって。ある意味、「適当で良いや」っていう気持ちが、上手く作用する場合もあって。『白盤』の「Baby I LOVE YOU」は、まさにその好例で、元々カップリング曲用に作っていたのに、出来が良かったので、シングル・タイトル曲になったっていう。
Excite: それでいて、歌もの寄りの『白盤』、ロック寄りの『黒盤』の2枚は、斉藤さんの音楽を考える上で、両方ともなくてはならない要素だと思うんですけど、ご自分ではいかがですか?
斉 藤: そうですね。『白盤』だけ聴くと、何かムチャクチャ良い人そうですけど、そんなことないし(笑)。むしろ、自分の気持ちとしては、いつも『黒盤』の方かもしれなくて、だからこそ、『白盤』は、そうじゃないものへの憧れっていう捉え方もあるし、またその逆もあるだろうし。ホントは、『白盤』と『黒盤』の間で、グレーな曲が一番多いと思うんですけど、2枚に分けるとしたらこうなったっていう。
Excite: でも、『白盤』と『黒盤』の両方を聴いたら、その人の頭の中は、グレーになるんじゃないですか?(笑)。
斉 藤: ははははは(笑)。そうっすね、そうかもしれない。でも、それって良いことなんですかね?(笑)。聴き手をモヤモヤさせてるだけって気がしなくもない。「両方あってこそ自分だな」とは思いますね。もちろん、どちらのサイドが好きかは、聴き手が決めれば良いことだし、「こっちが俺だよ」って言うつもりもないし。
Excite: 斉藤さんって、ライヴにしても、一人で弾き語りをやったかと思ったら、バンドでもガツンとやるし、常に表現手段も両方お持ちですよね。
斉 藤: そうですね。ま、飽きっぽいって言えば飽きっぽいので、バンドばっかりやってると、一人でやりたくなるし。一人でやってると、今度はみんなでやりたくなるし。それが順番にやって来る感じ。ただ、どちらにせよ、基本的にはラヴ・ソングでありたいなと思っているんですけどね。「惚れた腫れた」っていう意味だけじゃなく、色んな意味でのラヴ・ソング。もちろん、そうじゃない曲もあったりはしますけど、『白盤』、『黒盤』に限らず、それはありますね。それは、音にも言えることで、ある曲を「エレキで弾こうか、アコギで弾こうか」って時に、アコギの方が優しげになるのかっていうと、そんなこともなく、アコギの方がロックっぽくなるパターンもあるし、エレキでやると普通になっちゃう時もある。単純にギター好きとしては、何行も歌詞を書くより、「ソロで弾く、チョーキング一発に気持ちを込めてるんだ」っていうつもりもあるし、それは他の楽器を弾くときも同じことで。そういう歌詞、音を含め、ラヴ・ソングでありたいと思ってますね。
Excite: 何で、ラヴ・ソングなんでしょうね。
斉藤和義
斉 藤: ん〜、基本的に平和主義ですからね(笑)。大々的に「戦争反対!」を掲げるつもりはないですけど、基本的に「みんな仲良くしましょうよ」っていう方が良いと思うし。それこそ、僕が一番最初に曲を作り始めた時に書いた「僕が見たビートルズはTVの中」っていう曲は、当時起こった湾岸戦争に触発されて出来たものなんです。あの曲を書き上げた時も「あ、これはラヴ・ソングだな」って思ったんですよ。その体験が、曲作りの原点になっている部分が、大いにあるんですよね。もちろん、おねえちゃんが好きだったりするので、そういうラヴ・ソングも書きますけど(笑)。もっと広い意味でのラヴ・ソングの方が、やってても楽しいし、やる意味のある気がするんですよね。
Excite: さて、そんな『白盤』、『黒盤』の2枚をリリースしつつ、現在の斉藤さんのモードは、どんな方向に向かいつつあるんでしょう?
斉 藤: 今のバンド・メンバーはしっくりいっているので、そのメンバーで「スタジオ入ろう」っていう話をしていて。曲のモチーフ自体は、かなり溜まっているんですけど、どこから手を付けて良いのかと思っていて…。あとは、詩ですよね。曲と同時に出てくれば良いんだけど、こればっかりはなかなかね。それで、来年の夏前くらいまでには、新作アルバムを出そうとは思っていて、12月からぼちぼちレコーディングを始めるんです。本格的なレコーディングは1月から始めるので、夏前までは、この2枚のアルバムを聴いて、お待ち頂ければと思います。
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