

| Excite: | そういう気持ちって、解決するようなものではないんですか? |
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| 安藤: | 性なんですかね。みんな、どうしているのか分からないですけど、何か感情が湧き出した時、わめき散らすことですっきりする人もいるし、めそめそ泣くことですっきりする人もいるだろうし、何も出せずにただただ閉じこめてしまう人もいるだろうし。自分がそういう感情にさいなまれた時、自分は心底苦しいと思っているんだけど、どこかにもう一人の自分がいて、「たかがそんなことで何酔いしれているの?」って言葉を自分に放つ感覚があって、「だよねぇ。まぁ、いっか!」って思ったりもして。あとね、私、怒りが持続しないんですよ。怒っているうちに面倒臭くなっちゃうっていうか(笑)。何年かに一回、「うわ〜」って怒ることがあるんですけど、怒っている最中に貧血っぽくなっちゃうんですよ。で、喧嘩の最中に「ごめん、暖かいお茶入れてもらっていい?」って言って、中断しちゃったりするの(笑)。強い感情に体が付いていかないっていうか。 |
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| Excite: | そういう感情を曲にすることで、解消されることは? |
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| 安藤: | 書くだけでは、ないですね。それを歌うことではあると思うんですけど、歌うとはいってもレコーディングでは出来ない気がするし、やっぱり、人前で歌うことで初めてその感情が出ていく感じがするんです。だから、それこそライヴがなければ、多分、歌を歌う意味はないだろうなって思っています。 |
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| Excite: | 安藤さんって、回数が多くはないけど、ライヴの重要性を口にしているのは、そういう理由があるんですね。 |
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| 安藤: | かといって、その重要性を語る割に常日頃やっているのはレコーディングっていう。でも、作品で何が出来るのかっていうところも追求している部分で。今回に関しては、大きなチャレンジはないと思うんですね。「TEXAS」を見せたかったっていう気持ちが解消出来たから、あとはまた普段通りというか。ただ、今年作っている作品に関しては、ミュージシャンの顔ぶれが変わってきたりして。例えば、今回、スカパラの加藤さんが久し振りにギターを弾いてくれて、すごく透き通った曲ではあるけれど、根底では彼の鳴らす、どこかロックな匂いのするギターが鳴っていたり。あと、ここ最近のセッションでは佐野康夫さんっていうドラマーと出会ったことが大きくて、彼は唸るような、蜂のようなドラミングを叩いてくれているし、音の姿はちょこちょこ変化してきているかな。そういう意味で今回の「The Still Steel Down」はその兆しが見えているんじゃないか、と。 |
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| Excite: | あと、あまり意識していることではないと思うんですけど、この曲って、聴き始めてすぐにサビが来ますよね。こういう曲構成って安藤さんらしいな、と。 |
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| 安藤: | あまり考えてはいないですけど、そういう曲になっちゃいましたね。逆にAメロが何でそこにポツンとあるんだっていう(笑)。私の曲って、形がおかしくて、「え、これがAメロなの?」「これはAメロじゃないの?」っていう解釈の違いが生まれちゃうんです。だから、構成は不思議な感じがするかもしれないですね。 |
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| Excite: | そういう不思議な構成だからこそ、山本隆二さんが手掛けたアレンジの素晴らしさが際立っていますよね。 |
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| 安藤: | うん。私が感じるのは、年々、彼が作る弦のラインが良くなっているな、と。彼が弦のアレンジをするようになったのは、ここ最近なんですよね。最初の頃はストリングス・マニュアル本みたいなのを読んで作ったアレンジで、「何これ?教則本どおりなの?」ってからかっていたんですけど(笑)、『Merry Andrew』から弦を入れる曲が増えてきて。今回も、プリプロダクションの時は弦を入れてなかったんですけど、後から隙間が寂しくなって、弦を入れたんです。そしたら、その弦のアレンジがすごく良くて、ようやく曲の世界がまとまった感じはありますよね。 |
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| Excite: | あと、この「The Still Steel Down」ってタイトルなんですけど、これって意味が…。 |
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| 安藤: | そう。そういった言葉があるわけではなく、私の造語なんです。そもそも、この曲を作り終えた時、なんとなくの仮タイトルがあって、それは“冷たい砂の丘の上”っていうものなんですけど。何というか、そういう寂しい感じの風景が元からあって、ただ寂しいだけじゃなく、冷たい空気の厳しいイメージ。よく「自然って、すごく好き!」って言ったりするけど、実際に自然で暮らしてみたら、すごく厳しかったりするし、「生きるって厳しいよなぁ」とも思ったりして。そんなことを思いながら、タイトルを考えていた時、音のハマりの良さから“Still Steel Down”って書いたんですけど、“Down”を複数形の“Downs”にすると、“丘陵地帯”という意味があるんですけど、そうするとハマりが悪くなっちゃうから、そのままにして。“Still”には“静寂”という意味があるし、“Steel”も形容詞で“冷徹さ”だったり、“厳しさ”を表す意味があるから、“静かな厳しい砂丘”っていうイメージになるなと。だから、そういう意味を込めた造語、イメージ・ワードですね。 |
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