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INTERVIEW WITH BUMP OF CHIKEN
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excite 今回の作品『人形劇ギルド』なんですけど、それこそ一年なんてもんではなく、かなりずっと前からあたためて、大切に進めてきた企画だと思うんですけど。その辺の経緯をまず教えてもらえますか?
藤原 藤原: 話の発端は、僕らからではなく、スタッフサイドからだったんですが、スタッフはPVが作りたかったんです。『ユグドラシル』ってアルバムをもっと多くの人に聴いてもらうために、シングルしか聴いてくれていないお客さんにも、違った側面をアピールできるようにってことでね。シングルカットするわけではないけど、アルバムをリードするためのPVを作ったらどうか?というアイディアが出て。そのときに候補曲として出てきたものが2曲あって、そのうちの1曲が“ギルド”だったんです。
excite なぜ「ギルド」がそのとき、認められたんでしょうか?
藤原 藤原: スタッフサイドから見て、ライヴのときのお客さんの反応が良かったんじゃないでしょうか。その段階では、僕らにとっては別にどの曲でもよかったんですよ。作る意義は非常によくわかったけど、作らないなら作らないで、それでもいいと思ってたくらいなので。だから「ギルド」なら「ギルド」でいいとして、あとは僕らの信頼しているスタッフが「これでPVを作りたい」、「この時期にPVが欲しい」と言っているのであれば、なんらかの映像作品を――そのとき、頭の中にあったのは完全にPVですね。だからPVを作るべきなんだろうなっていうぐらいの意識はあった。それで「ギルド」になったんですけど、PVって言うと宣伝映像じゃないですか?“プロモーション・ビデオ”って言うぐらいなんで。
excite はい。
藤原 藤原: でも、この作品について言うと、「ギルド」という曲云々よりも、この人形劇の物語のための“ギルド”になっていますからね(笑)。どうしてそうなったかっていうと、「プロモーション・ビデオを作ろう」となったときに、僕はこの「ギルド」っていう曲を――3、4年前かな。曲を書いていたときに、アルバムの制作に入ってて、どっぷり浸かってた時期で、「今書いている曲がおそらく全部入って、そのうちの一曲がアルバムのリード・シングルになって、それでアルバムがリリースされるんだろうな」っていう、大まかな常識的な流れが頭の中にあったんです。だから、何となくですけど、戯れに「ギルド」を書いているときも、「これがシングルになる可能性もあるんだよね」って。僕らはどの曲がシングルになってもいいと思っているし、「この曲がシングルになったらいい」と一番強い方向性を出してくれるのは、スタッフサイドだったりするんです。その時もいろいろありました。もちろん「“ギルド”がいい」って言うスタッフさんもいましたし、「“同じドアをくぐれたら”がいい」って言うスタッフさんもいて。僕らはそういう売り方・魅せ方に関しては素人なんで、案外そういうときは、勤勉に人の話を聞くだけです。「へぇ。ふーん」とかいう感じ止まりなんですけど。
excite 曲を楽しんでくれている人の会話を楽しむ、という感じだよね。
藤原 藤原: そうですね(笑)。それで、「オンリー ロンリー グローリー」がシングルになったわけです。だから「ギルド」っていう曲の物語は、アルバムが出来上がって、あとはライヴでやるだけっていうところで止まってたんですけど。もし「ギルド」がシングルになるなら、――曲を書いているときに「これがシングルになる可能性もあるわけだよな」っていうのもフッと浮かびまして。……寄り道ですよね(笑)。別にそんなこと考える必要もないわけですけど。曲作りの最中に寄り道をして、こういう映像なのかなっていうふうに思い浮かんだのが、「クレイアニメで撮りたいな」ということだった。僕らが出るとかではなくね。イメージはクレイアニメで、炭鉱夫が坑道をひたすらガシガシ掘ってるっていうイメージと、蒸気がブシューッってなるイメージ。映像のあちこちから、ブシューッって音だとか、ガッチャンっていう音だとか、カンコンカンコン掘っている金属的な音とかが聞こえるイメージがあった。その映像は、実際、そのときは実現しなかったんですけど。レコーディング最中にも落書きをしてた記憶があるんですけど。
excite その炭鉱のイメージ――これは老いた父と娘さんの物語なんですが、そのイメージは、曲を作っていく中で生まれてきたものなんですか?
藤原 藤原: いや、そのときはなかったです。ただ単に、炭鉱夫がガシガシ掘ってるっていう抽象的なイメージしかなかった。
excite 何でそこから今のイメージに至ったんですか?
藤原 藤原: お仕事の歌っていうのと、あと多分曲のリズムがそうさせたんじゃないかって気もするんですけど。曲を作っているときは、最初ギターの弾き語りから歌うわけじゃないですか。そのときの、コード・ストロークのリズムが、つるはしを振っているリズムっぽかったんじゃないかなぁと思います。だから実際レコーディングしたときも、そういう金属音的なSEを――実際つるはしを振ったわけじゃなくて、実際にやったのは、マネージャーにバーベルを買ってきてもらって、そのバーベルを音がよく出るように工夫して並べて。重ねたりとか、吊るしたりとかいろいろやって。結局それを、交互にかなづちで叩いて。僕の抽象的な、断片的な映像イメージは、そのトラックに集約されて残ったわけです。今でもライヴではシーケンスで効果的に流れているんですけど、それで終わりでいいやと思ってた。
excite うん。
藤原 藤原: 別に、炭鉱の歌を書きたかったわけではないんです。お仕事の歌ではあるんですが、お仕事ってひとえに言っても、どのお仕事だって、取り組み方次第では非常にドラマティックなものなんですけど、その仕事が単調になってしまっていて、「どうなのよ?」って歌です。非常に簡単に言いましたけど(笑)、そういう日常に身を置いて「どうなのよ?」って歌じゃないですか。そういうところからイメージしやすいのが、炭鉱――ただひたすらもくもくと掘ってるって感じだったのかなという気がします。もしかしたら、その“穴蔵感”がよかったのかもしれないですけど。
excite 現実的に、この人形劇に至るプロセス――これは本当に、バンプ・オブ・チキンを知らない人が見る機会があったとしたら、まずこういう人形劇というものがあって、その中でBGMと歌モノ音楽が一曲かかってるっていう作品な訳ですよね。そこまでの映像作品を作ってみようという気持ちになっていった最大の動機は何なんですか?
藤原 藤原: 「“ギルド”でPVを作りたい」と言われて、そこで普段はPVのアイディアっていうのは、ある程度は自分たちで出すんですよ。そこで俺も含めてですけど、大体のやつがありえないことを言ってみたりするんですよね。アホみたいなことを。どんなアホみたいなアイディアがあるかな、たとえば……。
直井 直井: フルCGで自分達が出る。
藤原 藤原: そういうのとか。フルCGなんだけど、ポリゴンとか。
升 升: 絶対にバレないような。自分達が生でやってるんだろうなって思わせられれば、もう一生出なくて済むからとか。
excite クローン・バンプですね(笑)。
 
藤原 藤原: そうそう(笑)。あとは普通に演奏していて、普通に見れば普通のバンプ・オブ・チキンなんだけど、よ〜く見ると、全員が同じところにホクロがあるとか。そういう非生産的な話がずっと続くんですよね。正直、やる気がないわけではなく、そういうアホみたいな思いから何か生まれないかなっていう、すがるような思いから言っているんですけど。僕らが言えることなんて高が知れてるんで。自分らが映像化されるのに、一歩身を引いてしまうようなところがあるんで。でもそのときの僕は“ギルド”って聞いたときに、すっかり忘れていたクレイアニメのことを思い出していて、そういうものがあったなーと思っていた。それで「言うだけならいいよね?」って言って、「実は曲を作っていたときに、映像のイメージがあったんだ」って言ったんです。そうしたら「聞かせてくれよ」ってスタッフが言ってくれて。でも言う前から前置きしました。「これは言ったら最後、やりたくなるし、言うからには中途半端なものは作りたくないし、半端なものを妥協しないで作ることになると、本当に大変なことになる気がする」と。
excite うん。
 
藤原 藤原: そのPVっていうのは、3、4ヵ月後に流そうという話になっていたので、「そんな時期に絶対間に合わない」と。でも「曲を作ったやつのイメージがあるんだったら、それはぜひ聞きたい」と言ってくれて。それで、そのときはまだストーリーとかなくって、イメージだけを伝えた。まず、僕らが出ないということ。そしてクレイアニメ。当初はクレイアニメ、粘土だったんですよね。今はお人形になりましたけど。何で作ってあるかはわからないですが、ぷにゃぷにゃぐにょぐにょするんじゃなくて、ちゃんと形を保っていられるようなお人形です。ちょっとずつ動かす、ストップ・モーションアニメですね。要はクレイアニメと作り方は一緒だと思うんですが。
 
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