そのヤだなっていうのと自分が出した意見っていうところに矛盾を感じるんですけど(笑)。  
いや(笑)、僕はだからその、アイディアが出ないんだったら、いいこと思いついたら――なんて言うんでしょう、これは難しいですよ(笑)。あのねぇ、僕は音楽以外のところで責任を取るのをできるだけ避けたいんですよ。一貫してそうです。あんまり写真とかも撮りたくないと思っているし、音楽だけでいいじゃないかと。レコーディングして、自分らが素晴らしいと思う曲を書いて自分らが素晴らしいと思う音でレコーディングしてそれでライヴをやるっていうね、そこに僕らのすべてがあるんじゃないかと思っているので。なんつうんだろうなぁ、例えば他のセンスが問われるような部分はなるべくこう、手をつけたくないわけですよ(笑)。  
音だけを鳴らしていたいんですよね。  
そうです。だからCDジャケットも、音楽以外のアートなわけじゃないですか。そこで僕らが気にすることって言ったら、僕らの音を邪魔しないデザインであるかどうかってことですよね。それさえ大丈夫だって思えれば、大丈夫なんです。今までやってきたジャケットが全部そういう下駄預けっぱなしのものなのかっていったら全然そうではなくて、やっぱり誰かが言ったものがアイディアになって、だから割と情熱的に説明できるものが多いんですけど。やっぱり言い出しっぺの奴に委ねられる場合が多いんですよ。だからほんとヤな予感はしていたんですけど、「お前が描け」とスタッフさんに言われまして。俺はほんとにイヤだと思ったんですけど、でも描くしかないんだろうなと思いまして、描きましたね。  
ちょっとそこを突っ込ませてもらうんですけど、このブックレットの中にはなんとも胸が締めつけられるようなストーリーがありまして、そこの中には人間も、人間の階級も、そして生物全体も、で、生物だけではなくてこの世に存在するすべてのものが繋がり合おうと思えば繋がり合えるし、時を超えてでも繋がっていくんだという、非常に根源的なことが綴られていると思うんですが、それはブックレットのみならず、このアルバムの中にも繋がっていっているテーマだと思うんですね。このアルバムの中で一番言いたいことっていうのを、ものすごく伝えたい、今まで以上に伝えたいっていう気持ちがあったからじゃないかなあと思うんですけど、どうですか。
何を書いたのかちょっと言葉で説明できないんですけど、まぁ、1個ずっと思ってたのは、半端なもの描いたら曲を邪魔してしまうので、半端じゃないものを描こうと思ったらこのぐらいの長さになったってことです。……描いている時は楽しかったですけど、寂しかったです。ずっとひとりなんで。だからもう、あんまやりたくないです(笑)。
全17曲収録されているんですが、シングルの曲が6曲――2年以上前の曲からいろんな曲が入っていますが、レコーディングはすごく長い時間をかけてゆっくり作っていったっていう感じだったんですか。
客観的に見たら、日本の音楽シーンと照らし合わせて見るとゆっくりなんですけど、自分たちはすごい、休む間がほとんどなかったなと今思いますね。僕らの手法は、ウチの藤原基央くんが作詞作曲をして、それを俺ら3人が聴かしてもらって、あとは他の3人は何をやるかっていうとスタジオに入って、その曲をどんどん練習する、一番いい形を模索するっていうのをやるんです。で、その間フジくんはまた次の曲を書く。で、3曲ぐらい溜まったらレコーディングしよう。それを繰り返すとこういうふうになっちゃったんですね(笑)。だからフジくんが遅いなあとも思わないし、「えっ、もうできたの?」っていうふうに逆に思ったことも結構あったし。2曲もあるどうしよう?みたいな(笑)、自分の中でもう既にその、早くこの1曲レコーディングしたいのにみたいな、2曲同時に書かれても無理だみたいなふうに思った時もあったし。まぁ、すごく嬉しい悲鳴なんですけど。そうやってほんとに自然にやれた期間だったんじゃないかなと思います。
現実的にアルバムを作っていこうっていう、そういうリアルな現実と向かい合いながら創作とレコーディングをし出したのはいつからですか?
自分の中で意識が目覚めてきたのは“ハンマーソングと痛みの塔”っていう曲ができた時だと思うんです。それまでなんとなくスタッフさんが、フジくんが書いてくる曲書いてくる曲に“シングル”っていう言葉をつけて、「これはシングルだ」っていう感じで。“涙のふるさと”ができた時も別にあれはアルバムでもいいはずですよね?でも僕らはそんなこと考えて曲を作ってないので、スタッフさんが考えてくれるんです。あと、山崎(貴)監督との出会いもあったし。“プラネタリウム”もそうですよね。全部のシングルにそういうことが言えるんですけど、そいつらが活躍するべき時が来たっていう感じで出していったんですけど。“ハンマーソングと痛みの塔”の時にはスタッフもこれがシングルだっていう感じじゃないし、かといってダメな曲っていうわけじゃない。そんな空気があったんです。僕たちの場合はね、アルバムの中にあるのは捨て曲だとかそういうふうに思ったことは1回もないし、俺らにとってはほんとに素晴らしい曲なの。その時に、きっとこれがアルバムに入るんだろうなっていう、アルバムの中で生きる曲なんだろうなっていうのを感じて、ここから始まるんだなぁっていう気分を“ハンマーソングと痛みの塔”で味わって。アルバム、すごいことになるんだろうなって思いました。
“ハンマーソングと痛みの塔”を初めて聴かせていただいた時に、この曲がアルバムのパイロットシングルになったら、世の中ぶったまげてとても面白いことになるなあと、個人的には思ったんだよね。
あぁ、言っていましたねぇ(笑)。憶えています。これは、大きな声で歌いながら作っていましたね。だからそういうメロディになっている。小さな声で細々と歌いながらっていう曲もあるので、あんまりその大きな声を出したりすると近所迷惑なんで、大丈夫かなぁと思うんですけど。あの曲は大きな声で歌わないと書けなかったと思いますね。
過去にも大きな声で歌った名曲っていうのは沢山あるんでしたっけ?  
“embrace”とか、結構デカい声で歌っていましたね。  
そうなんだ?(笑)。  
そうですねぇ。“ダイヤモンド”とかもデカい声で歌って――あっ、“ダイヤモンド”とかはもう壁叩かれましたからね(笑)、「うるさいよ」って、ドンドンドンッ(笑)。俺もなんか「すいません」みたいな気持ちを込めてなんかココンッと叩いたりして(笑)。  
でも歌う、みたいな(笑)。  
いや、もうそうなったら歌わないです、そうなったらもう「すいませんでした」みたいな感じでね。あっ、“プラネタリウム”も大きな声で歌っていましたね。  
 
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