Excite: 前作から1年8ヵ月ぶりとなる、サード・アルバム『Tobira Album』が完成しましたね。
Rie fu: はい。1年8ヵ月も経っていると聞くと久しぶりな感じがしますけど、自分としてはずっ とアルバムを出したいと思いながら、前へ前へという気持ちでやってきたので、間が空いたっていう感じはしてないんです。
Excite: シングルのリリースや楽曲制作のペースを考えると、途切れずにずっと継続している感じはしますからね。
Rie fu: そうですね。前作の『ROSE ALBUM』ではやりたいことを詰め込んできたんですけど、 今回はバランスを考えて、リスナーの人たちはこういう曲を聴きたいんじゃないかとか、 より生活に身近になる音楽は歌詞が日本語が良いなとか、歌とはどういうものなのか なとか、色々なことを考えたりもしながら作りました。なので、やりたい放題やった『 ROSE ALBUM』から一歩前進した、まさに扉を開いて外を見てみたっていうアルバムに なったと思ってます。
Excite: セカンド・アルバムの『ROSE ALBUM』がやりたいことを詰め込んだアルバムだったとい うことですが、今振り返ってみて、ファースト・アルバム『Rie fu』はどのような アルバムだったと思いますか?
Rie fu: ファースト・アルバムはホントに純粋にというか、素という感じでしたね。歌手になりた いと思う前に出来た曲もありましたから、純粋なところから生まれてきた作品だったんじ ゃないかなって。小難しいことや、ワザとらしさもなかったですね。今回のアルバムは、 良い意味でのワザとらしさはありますけど。
Excite: それは聴き手を意識したという部分が。
Rie fu: それはありますね。ファーストとセカンドの2枚のアルバムを通して、リスナーの声を 聞いたり、留学中に色んなメッセージをもらったり、違う環境で聴いてくれてるリスナー がいるということを意識することで、自分も意識して「英語の歌詞ばかりだったら内容 が伝わりにくいんじゃないか」とか、曲作りに対しても考え方が変わって、シンプルに なったとか。色んな部分で成長しているアルバムかなと思ってるんですけど(笑)。


Excite: ちょっと話が戻りますが、タイトルの『Tobira Album』なんですが、「Until I Say」のカップリング曲で、今回のアルバムにも入ってる「Tobira」という曲がある ということは、「Until I Say」のリリースの頃から『Tobira Album』というタイトルのイメージがあったんですか?
Rie fu: “Tobira”というテーマのアルバムを作ろうというのは、以前から考えていました。でも、「Tobira」がコンセプト曲というわけではなくて、全部を通して“Tobir a”というテーマになってます。“Tobira”には3つ意味があって、一つ目は、Rie fu自身の環境として、留学生活を終えて、これから新しい扉を開くという意味と、 二つ目は留学中に感じたことなんですけど、音楽は“どこでもドア”のように、色んな場所に行って、色んな人に共有してもらって、しかも時間も超えて聴け るんじゃないかなって。それと音楽的にも、英語だけの洋楽っぽい雰囲気の曲とか、日本を意識した和風な感じ曲とか、二つの対照的な曲を自由に行き来 できるような扉になったら良いなって。三つ目は、Rie fuから扉を開いて、リスナーの人はどういう曲を聴いてみたいのかなって、一歩踏み出して考え てみるっていうのと、逆にリスナーの側からRie fuの部屋に遊びにくるような感覚で自由に行き来できるというか。Rie fuを聴いてくれる人からのメッセージで曲が 変わったりしますから、そういう相互的な作用というか、影響を与え合うことが一枚の扉を通して出来たら良いなと思います。

Excite: Rie fuさんから発信するだけじゃなくて、リスナーの人 たちからのメッセージも受け取れるような相互的な意味 があるということなんですね。
Rie fu: はい。そういう意味では、ライヴもリスナーの方との コミュニケーションが取れる場でもありますし、ブログ もそうですよね。特にブログは、私がロンドンで生 活していたということもありますけど、ファンの人たち と繋がる扉としてすごく大切なものでした。もちろん、 日本に帰ってきた今でもそうなんですけど。音楽活 動とは違う話題も多かったんですけど、大学でのこと とか、全然関係ないからこそ、こういう生活もあるっ ていうことを書くべきだと思いましたし、そういうことを 知ってもらえたら新鮮な空気が流れるんじゃないかな って。自分も忘れっぽい性格なので、書くことによっ て「こんなこともあったなぁ」っていう記録にもなって いますし。
Excite: ブログを読み返すことで、思い出したりすることも多かったりしますからね。
Rie fu: そうですね。思ったよりも忘れていることが多くて(笑)。人に見られている日記って、ブログをやる前は考えられなかったけど、始めてみると自分のことを 書いてるんだけど、すごくオープンな気持ちになれて、書くのが楽しくなってきました。

Excite: ブログがあったことで、日本のファンの人たちもRie fuさんとの距離が近く感じられていたと思いますし。
Rie fu: はい、私も近く感じていましたからね。今の時代で良かったなぁって。これまではロンドンでの生活での出来事を書いてきましたけど、これからは日本での 生活における出来事を書いていくので、もっと距離感を近く感じてもらえるんじゃないかなって思っています。
Excite: 去年までは、夏休みが終わって10月頃にはロンドンに帰っていた時期だと思いますが、今年はそのまま日本にいますよね。そういう部分での気持ちの切り 替えは出来てますか?
Rie fu: はい、完全に出来てます(笑)。10月の最初に、油絵のグループ展のためにロンドンに一週間ぐらい行ってきたんですけど、同じロンドンなのにすごく見方が変わ っていて、家もないし、学生でもないし、自分がロンドンにいる理由が今はもうないんだなって。今、自分がいるべき場所は日本だということを、卒業後に そうやってロンドンに行ってみて、改めて気付きました。