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interview with アンジェラ・アキ interview with アンジェラ・アキ
interview with アンジェラ・アキ interview with アンジェラ・アキ
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Excite:今回の新曲「手紙」は、NHK全国学校音楽コンクールの課題曲でもあるんですね。

アンジェラ・アキ:そうなんですよ。ちょうど1年前に、「中学校の部の課題曲を作って下さい」というお話を頂いたんですけど、最初は、「全国の中学生が歌うのに私で良いの!?」という感じでしたね(笑)。でも、自分ではなくて、他の人が歌う歌を作るという初めてのチャレンジでもあったので、これはトライしてみようと。シングルとしてではなく、合唱コンクールのための曲として書きました。

Excite:曲を作るにあたっては何か違いがありました?

アンジェラ・アキ:オクターブから4つ上までの範囲で作って下さいとか、今まで考えたこともなかったような色んな規定がある中で作ったんですよ。でも、自分が中学校の時に学校で歌っていたような歌…例えば「翼を下さい」とか「グリーングリーン」とかって、みんなで合唱して一つになるような素晴らしいパワーがあったなぁって思ったんです。普遍的な、素晴らしい歌がずっと受け継がれてる。だから今回は、そう感じてもらえるような歌にしたいという想いでしたね。売れるシングルというよりも、15歳の子たちが歌いながら何か感じてくれて、自分の歌にしてもらえるような曲を書きたいと思って作りました。

アンジェラ・アキ
Excite:テーマとしては何か決まったものがあったんですか?

アンジェラ・アキ:“そして未来へ”っていうテーマがあって、小・中・高どれもが、そのテーマに添って作るんです。だけど私は、このテーマが中学生に対するメッセージとしては大き過ぎるような気がして。“未来へ”って言われても、自分が正直に言えることって、「(しみじみと)いやぁ、これから色々と大変よ〜」みたいな(笑)、「色々あるよ!」みたいな方向に行っちゃいそうで。私に何が言えるのかなぁ…ってしばらく考えてた時に、ちょうど30歳の誕生日を迎えたんですね。で、母から封筒が届いたんですけど、開けてみると、母からではなく、なんと自分からの手紙が入ってたんです。

Excite:自分から!?

アンジェラ・アキ:そう。私が10代の頃、「30歳の自分へ」って書いた手紙だったんです。「30歳の自分へ。お元気ですか?今何してんの?」で始まる手紙。

Excite:すごい!

アンジェラ・アキ:でも次の行では、「それはさておき、ちょっと聞いて!(早口で)今日学校でこんなことがあって、あんなことがあって、ナニナニ君にこんなこと言われて、でも先生は何にも私のこと分かってないんだよ!etc…」って、1ページじゃなくて7ページくらい書いてあるの。そんなグチが(笑)。

Excite:それはリアルですね(笑)。

アンジェラ・アキ:でも、私ってそもそも、自ら手紙を書くような人じゃないんですよ。面倒くさがりだから。多分、学校で「書きなさい」って促されたんだとは思うけど、それをやってたこと自体が奇跡だなって思うんですよね。しかもそれを、母親が10何年も持っててくれた。っていうか、私と母はよく似てて、大事にとっておく心構えはあるんだけど結局無くしちゃうようなタイプだから(笑)、こうやって手紙があること自体、すごい偶然なんですよ。奇跡なんです。

Excite:その奇跡が、今回の曲に繋がるわけですからね。

アンジェラ・アキ:この手紙を書いた時点で、10何年後にこの曲が生まれるきっかけを作ってるってことじゃないですか。そう考えると、運命ってやっぱりすごいなぁって思いますよね。

Excite:確かに。で、読んでみてどうでした?

アンジェラ・アキ:もうビックリして。こんなに色んなこと抱えていっぱいいっぱいになって生きてたんだ…って。書いてあることの9割が不安とか悩みなんですよ。もっとポジティヴに未来のこととかを書いてるのかなと思ってたら、その時の自分には、今日という日の近況や、いっぱいいっぱいな出来事が重くて、それを打ち明ける手紙みたいでしたね。

アンジェラ・アキ
Excite:その頃のご自分の様子って覚えてます?

アンジェラ・アキ:ちょうど日本からアメリカに引っ越して行った頃ですね。15歳まで徳島と岡山で過ごしてたんだけど、周りにハーフの人もいなかったし、お母さんが外国の人だっていう子もいない中で、すごく疎外感みたいなものを感じてたんです。「自分って何なんだろう」とか、「自分のこういう部分は嫌だ」とか、「もっとみんなと同じようになりたい」とか、ちょっと嫌なものを抱えてた時期でもあった。だから、「アメリカに行って、私はこれからアメリカ人として生活すれば良いのね」って思いながらも、英語が喋れないっていう葛藤があったりして。その手紙を書いてた頃はまさに、「私って何なん?」「私って誰なん?」「本当の自分って何?」「自分には何が出来るんだろう?」とか、そういう色んな疑問の中で生活をしてましたね。居場所がわからない感じで。心地良い感じではないっていう中で手紙を書いてるから、色んなことをよりヴィヴィッドに感じて反応してたのかなって思いました。

Excite:うっ積していく気持ちの中、出口の見つからない長い夜を15歳のアンジーはどう過ごしてたんでしょうね。

アンジェラ・アキ:年子の妹がいるんですけど、唯一心が通じ合って、同じような経験をして、同じような感情で生きてますからね。一緒に痛いことを経験してきた仲間として、彼女とは心が一つでした。彼女がいるのといないのとでは大きな違いだっただろうと思いますね。孤独の中でも妹という強い味方がいて、孤独を分かち合う仲間がいる…とはいえ、学年が一つ違うと色んなことを違って感じたりもしてて。すごく一人ぼっちだって気持ちも同時にありましたね。

Excite:だから手紙が7ページにも渡ってしまったんでしょうね。

アンジェラ・アキ:でもね、正直に言うと、最初に読んだ時の感想としては、「何でこんなことで悩んでんの!?」って思ったのね。「こんなことで毎日暗い気持ちでいたの?」って。それがね、ちょっとショックだったんですよね。もっと、将来何になるのかとか、音楽についてのこととか考えたりしてるのかなと思いきや、もういっぱいいっぱいでそれ以上は考える余地がないような感じだったから。だから、こうやって30歳でこの手紙を読むよりも、書いた2年後とかに読めれば良かったなと思いましたね。「大丈夫やから、自信持って進んでいきなさい」って、自分から自分にもっと早く言えたらどんなに楽だっただろうっていうのが正直な感想でした。その時の自分はいっぱいいっぱいだったし、その時の自分にしか分からない感情だったのかもしれないけど…。でも思ったのは、時間っていうものは全てを解決してくれるのかなってことで。色んな悩みや苦しみがあるけど、時間だけはみんな平等に与えられてるものでしょ?1日24時間はみんな一緒で、その時間を味方に付けていけば、一つずつ解決していくものなのかな、傷も癒えていくのかなっていうことを思って。じゃあ、私が今中学生の子たちに言えるのって、そういうことかもって思ったんです。いっぱいいっぱいなのは分かるし、「大丈夫よ」って言われて苦しみがなくなるわけじゃないことはよく分かってる。だけど、苦しいっていうことを受け入れることが出来れば、そこからきっと前へ進んでいけると思うんです。15歳の中学生も、30歳の自分も、親の世代の人達も、今という時間には苦しい時も悲しい時も孤独な時もあるけど、それはみんな同じであって。今という時間を生きるって気持ちは一緒なんじゃないかなって思ったんですよね。

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