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interview with 小泉今日子 interview with 小泉今日子
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Excite:タイトル『Nice Middle』は、どういう思いを込めて決めたんですか?
小 泉:“Nice Middle”っていう曲は入っていないんですけど、言葉が良いなあって。本当に、40代って世代的に“ミドル”なんですよね。上にも下にもいて、「私達は真ん中にいるんだよな」ってよく思うんです。今年、映画のプロモーションでたくさん雑誌の取材を受けさせてもらったんですけど、そこに私のことが“最強のアラフォー”って書かれたりしていたんですね。ありがたい言葉なんですけど、「何か馴染めないなあ…」と思っていたんです。素敵な言葉だと思うし、人を勇気付けたり、元気が出たりする言葉だとは思うけど、「輝いてなきゃいけない」みたいなニュアンスが含まれているような気がして。でも、中年ってもっとくたびれてるし、くたびれてても良いし、切なくて良いじゃん!っていう気がしているので、私は敢えて自分で自分を語る時に“中年”っていう言葉を一生懸命使ってるんです。「中年の星になりたい!」とか言ったりしていて(笑)。
Excite:そういうふうに思うのは、どうしてなんでしょうか?
小 泉:自分も含めてこの世代というのは、社会の中でも一番現役感のある年頃だと思うんだけど、それでもやっぱりまだ上には叱られるし、下からは突き上げられたり、もしくは下を育てなきゃいけないという大変さもあったり。そういうストレスを感じ易い年頃だと思うんです。家庭に入っている人でも、「子供が成長して、今、反抗期なの」とか、「マイホーム欲しいから、切り詰めてるの」とか色々あって頑張らないといけない年頃だから、「みんな疲れてるだろうなあ」「元気出すのも難しいだろうなあ」という感じがしていて。私はこんな自由業で、好きなように生きているし、サラリーマンじゃないし家庭も持っていないから、みんなより少しは元気なんですよね。だから、応援したくなっちゃったんですよ。
Excite:確かに、励まされるタイトルであり、アルバムになっていますね。
小 泉:自分は10代の若い頃から“アイドル”をやってきて、その頃応援してくれてた人達とずっと青春を共にしてたと思うんですね。みんなそれぞれ自分の人生を生きていると思うけど、やっぱり私は、その人達にはずっと責任を感じていたいんですよ。だから応援したかったのかな。たくさん雑誌の取材を受けたり、テレビに出たりしたら反応が色々とありまして、同世代の女の人だと、「キョンキョンが頑張ってる姿を見ると自分も頑張れる」とか、少し年下の人だと、「年を取るのがそんなに怖くなくなります」みたいなことを言ってくれる人が多くて。私自身も、いつも自分よりちょっと先を歩いているお姉さん方にたくさんの勇気を与えてもらってきたの。その人達がカッコ良いから私もきっとカッコ良く大人に成れるんだ、と今も思ってる。「40代はもっと楽しいわよ」って言われてすごく安心したり。そういう人達を見てきたから、自分もそれを返していきたいなっていうのもあるし。私達もまだまだ不安がいっぱいあるし怖いなって思うこともあるんだけど、こういう世代が元気じゃないと、自分達よりもっと若い、後から歩いてくる人達の足元が暗くなっちゃうなって。だから、少し明かりを灯すような大人でいたいと思うんですよね。でも、そのために若い子に向けるというより、“同世代に向けて”という気持ちで作っていますね。それぞれがそれぞれの近くにいる子の足元を照らせば良いじゃん?っていう感じがしています。だから、分かり易いタイトルが良いなと思って付けました。
小泉今日子
Excite:その世代ゆえの苦しみ、大変さという負の部分も認めながら、輝こうとする…でも、「頑張れアラフォー!」とは違う、元気過ぎないリアルな温度感ですよね。だからこそ響くんだと思います。
小 泉:そうですね。私、“中年の魅力”っていうものが必ずあると思うんですけど、それはやっぱり、ちょっと切なくないとね(笑)。子供の頃からそういう人がきっとタイプなんでしょうね。テレビとか映画とか観ていて、児玉清さんとか、志村喬さんとかを素敵だなって思って「キューン」ってしてたんですけど、当時彼らはちょうどミドル世代だったと思うんですよね。やっぱりどこか、切ないから素敵なんだと思うの。
Excite:ちょっと影の部分もあって。
小 泉:うん。少し枯れてるというか、脂ぎってない感じ。
Excite:(笑)。そういった思いを楽曲にも落とし込んでいったんですか?
小 泉:そうですね、自然にそうなっていったという感じもあるんですけど、自分が書いた詞は、少し意識的に遣った言葉はあるかも。<長生きがしたいなぁ>(「美しい世界」)とか。
Excite:10曲目の「あなたと逃避行」では、<若いなんてとても言えないけど それだけに 楽しい>というフレーズが印象的です。“それだけに”っていう言葉がリアルだし、勇気付けられます。
小 泉:大人には大人の純情があると思うんですよね。恋愛とかに対しても、すごく純粋な気持ちが出てくる気がしていて。
Excite:それは、若い時の純情とはまた違うんでしょうか?
小 泉:うん、また違う。そういうことを書きたいなあと思ったのかな。
Excite:ドラマティックなことを見たい、というのではなくて、<些細な瞬間を あなたと見たいのよ>という言葉も、やっぱり大人ならではの目線なんでしょうね。
小 泉:そうですね。若い時って、お互いがお互いを見詰めてると思っていますよね。だからこそヒリヒリしたものが生まれちゃうっていう感じなんだけど、今なら、好きな人と同じものを見たいんですよね。好きな人が見てるものを私も愛したい、というような気分になってくる。それは、“自分”がちゃんとあるから怖くないんじゃないのかな?って思うんですよね。隣にいるということを感じながら、同じものを見たいという気分になってくるなあ、と思って。
小泉今日子 小泉今日子
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