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interview with アンジェラ・アキ interview with アンジェラ・アキ
interview with アンジェラ・アキ interview with アンジェラ・アキ
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Excite:最初に、「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」という大切な曲が生まれた2008年を振り返ってみたいのですが。

アンジェラ・アキ:はい。2008年はやっぱり、「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」で始まり「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」で終わった一年でしたね。この曲は中学校の合唱コンクールの課題曲ということで書き下ろしたんですが、他の人が歌う為に作るっていうのは初めてだったし、そこから多くの出会いに繋がった一曲でもありました。全国の色んな学校を回ったんですが、15歳の中学生の子達と会話をして行く中で、私も色々刺激されたし、自分の10代のことを思い出したりもしたんです。「時代は変わってるな」というよりも、なんか「同じなんやな」っていうのが良い意味でのショックとして印象に残りましたね。同じ目線で色んなことを話し合えたことで、アーティスト性としてもそうだけど、人間としての視野がすっごく広がったなと思ったんです。例えば、結婚して子供が生まれて、子供と一緒に同じ時代を生きて行くってなるとそれはまた違うけど、私には子供がいないし、親でもないのにそういう違う世代の人達と関わることが出来たんですからね。すごくラッキーなことだったし、本当に、出会いに感謝してます。

Excite:人間的な部分に大きな影響や刺激をもたらしたということは、その「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」を経て発信されるアンジーの音楽にも何らかの影響があるんじゃないかと思いますが、音楽との向き合い方や距離感などは、その後どんなふうに感じてますか?

アンジェラ・アキ:正に、今回のアルバムはその答えなんですよね。それに対する“ANSWER”がすごく詰まってるんです。シンガーソングライターって、自分が作る曲はどうしても自分のもの、自分のストーリーだって思ってしまうから、“あなた”と“私”の“私”がすごくはっきりと“自分”なんですよ。だから曲の主人公に感情移入し過ぎて切り離せなかった部分って今までいっぱいあったんです。辛くてもう歌いたくないっていう過去の曲もいっぱいある (笑)。だけど「「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」」という曲では、自分が10代の頃、30代の自分に宛てて書いた手紙への返事という形で構成して、実体験なんだけど、それはどこかで自分と切り離して、客観的なストーリーを作るっていうことがやれたんですね。主人公と私っていう人を、良い意味で切り離すことが出来たから、シンガーソングライターのソングライターっていう部分の成長が少し出来たかなって、客観的に思えたんですよね。ここにきて大きく、歌を作るというものに対するアプローチが変わったので、今この質問に答えられて、すごく「そうそう、そこそこ!」って思えました(笑)。

Excite:(笑)。ではそこから、このアルバムが完成するまでの流れを聞かせて下さい。

アンジェラ・アキ:今回は「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」という曲で、シングルを初めて自分でプロデュースしたんですが、合唱で皆さんが歌ってる曲ということで、ドラムを入れようかオーケストラを入れようかとか色々考えてみたんです。だけどやっぱりこれは初心に返って、ピアノと私であるということにもう一度向き合い、はっきりと提示したいという気持ちになったんです。シングルで弾き語りってあんまりないと思うからすごく大きな賭けだったんですけど、今回は華やかに作ってパッと聴いてパッと入ってくる感じは置いといて、ピアノと私でやってみようと。いざやってみて、シンプルだったからこそより色んな方にスッと聴いてもらえたのかなと客観的にも思えたので、アルバムも最初は弾き語りにしようかなと思ってたんです。

Excite:そこまで!

アンジェラ・アキ:そこまで思ってました。ピアノと自分という、3枚目にしてデビューアルバムぐらいの気持ちで作ろうと思ってたので。でもやっぱり曲が出来て行く中で、アレンジャーとして、プロデューサーとして、濃厚で鮮明なビジョンがいっぱいあったので、これは弾き語りという心構えでバンドを使ってやろうっていうふうに思ったんです。色んな楽器が入ってるし、40人以上でレコーディングした曲もあるけど、心構えはピアノと私で。

Excite:だからこそ、どんなアレンジで、どんな楽器を使おうと、それぞれの楽曲が胸を張っているんですね。

アンジェラ・アキ:そう感じてもらえてたら嬉しいです。3枚目のアルバムって、自分が好きなアーティストが残したものを見ても、結構チャレンジする時期だったりするんですよね。こんなこともあんなこともやってみようって。そんな中、私は敢えてブレないでいようと。自分が弾き語りのシンガーソングライターであるっていうことを誇りに思って作ってみようって。もちろんアレンジの面とかでチャレンジした部分はありますけどね。でも聴いている方が、「今回はこう来たの!?」じゃなくて、落ち着いてアンジェラ・アキの作品として聴ける。しかも1枚目より2枚目、2枚目より3枚目って思ってもらえるような、ハードルは上げて臨んだアルバムです。

Excite:収録されている曲についてはどうですか?先程「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」という曲が出来、ソングライターとしての成長を自覚出来たというお話がありましたが、その後はどんなふうにして曲が出来上がっていったんでしょうか。

アンジェラ・アキ:デビューして2年半、1stも2ndも決められた時間の中で一生懸命作りながらぶっ続けで走って来たんですが、昨年1月に2ndアルバム『TODAY』の41本のツアーが終わって、初めてスケジュール的に束縛されるものが無くなったんです。ふっと自由時間になってしまったんですが、それが自分にとってすごく不安なものに感じて、一瞬戸惑った部分があったんです。10年掛かってデビュー出来て、やっと夢が叶ったっていう中で走り続けて来て2年半経った時に、「ちょ、ちょっと待って。何の為にここまで走って来たんだっけ??」って、改めて考え直すというか、向き合い直す時間が出来てしまったみたいで。それは全て良い時間でもなくて、初めて、色んなものに対する不安とか、まだ達成出来てない目標に対する長い距離だったりを感じたりしたんですね。そんな中で、自分なりの答えを何か見付けたいと思いながら曲を作っていったんです。

Excite:なるほど。

アンジェラ・アキ:何ヶ月も掛けて作る中で、ある時ふと「あれ?どれだけ曲作っても見付からない答えがあるのはどうしてだろう?」って感じになったんですよ。でも、答えってものは、見付からなくても探し続ける中に本当の“ANSWER”っていうものがあるのかなって段々思うようになったんです。だから「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」も含めてそうだけど、私という一人の人間が、答えというものを探しているプロセスのアルバムなんですよ。“ANSWER”とか言っておきながら、本当はそのプロセスなんです。見付かってるものもある、見付からないものは見付からないで終わってる。だけど、そのプロセスを隠さず伝えていこうっていう曲がここにあるんですよね。

Excite:じゃあ“ANSWER”という言葉は、もう自然と浮き上がっていたようですね。

アンジェラ・アキ:そうですね。ふっと「あ、“ANSWER”だ」って気が付いて。何ヶ月にも渡って曲作りしてる中で、実はこの13曲以外にも何10曲っていうものが生まれていたんですね。今回「ANSWER」という曲が入ってますが、これはその何10曲の中に埋もれてたものなんですよ。作った時に「恥ずかしいからいいや」「やーめた」とか思ってたくらい(笑)。でもいくつかデモテープ録って「こんな曲出来たけど、どう思う?」って客観的な意見を求めた時に、マネージャーが「これ良いやん!」って「ANSWER」を聴いて言ったんです。もう、テープの最後の最後ぐらいに入れてたんですけどね。

Excite:埋もれるような場所に(笑)。

アンジェラ・アキ:赤裸々な部分だから恥ずかしいっていうところもあって、客観性に欠けてたのかもしれないけど、そういうふうに言ってくれることによって、もう一回この曲と向き合ってみようって。外部からの一言で、新たな“ANSWER”が見付かったんですよね。そういう色んな奇跡も偶然もあって、出来た曲なんです。

Excite:いわゆるタイトル曲なのに、意外なエピソードですね。

アンジェラ・アキ:そう。だから自分の中では、タイトル曲とタイトルはあんまりリンクさせて考えてないんですよね。

Excite:先程40数名でレコーディングしたものもあると言われましたが、それは年末の武道館で披露された「レクイエム」のことですね?

アンジェラ・アキ:はい。あと「ダリア」もそうですね。フルオーケストラでやりました。

Excite:それだけの人間が参加するという事は、ものすごいパワーがスタジオに渦巻いてたんでしょうね。

アンジェラ・アキ:それはありますね。混声合唱団の方が参加して下さったんですが、皆さんスタジオに入ってこられて、「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」みたいな曲を想像されてたみたいなんですね。<拝啓〜>みたいな。それが譜面を配ったらいきなり暗いラテン語ですからね(笑)。結構ショックを受けてらしたと思うけど、いやいや、私こういう曲も作るんですーって(笑)。

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