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excite:まずは、9月16日の日本武道館公演の感想から聞かせて下さい。
山 中:うーん、ちょっと力が入っちゃったかな。前の日とかも全然寝られなくて。まあ、元々寝られない性質ではあるんだけど、それにしても寝られなくて。だから、普通では無かったんだろうね。今まで自分が知らないタイプの緊張というか。(当日は)もう、一万人集まってくれたことで、既に感動したっていうか。俺、ステージ上がる前に、もう感動してたから(笑)。暗転してSEが流れて一万人のお客さんから歓声が上がって。野外フェスと違って(武道館は)歓声が外に抜けないから、すごい反響があるじゃない? しかも、ワンマンだしアニバーサリーってこともあって、観客のテンションもすごく高くて。そこでもう、俺は感動したのかな? とにかく特別な日だったとは思うよ。
excite:そんな日本武道館公演から1ヶ月を待たずして、ニュー・アルバム『OOPARTS』がリリースされるわけですが、制作はいつ頃やっていたのですか?
山 中:ええと…5月とかだったかな? でも、対バン・ツアーの合間もやっていた気がするので。ベスト盤のセルフ・カヴァーの曲とシングルの曲とニュー・アルバムの曲がグラデーションで変わって行ったというか、きっちり分けてやっていたわけじゃないから、何か全部繋がっちゃってるんだよね。
excite:本作を作る上で、どんなことを意識しましたか?
山 中:ソングライティングの面では、珍しく20周年ってものを意識していたと思う。最初は、武道館で20周年は終わって、もう通常の日々ですよってものにしようと思っていたんだけど、結局、制作期間はアニバーサリー気分の真っ只中なわけじゃない? だから、やっぱり20周年を意識してはいるんだけど、その方向がちょっと分かりづらいっていうか、みんなが思う20周年を意識したものではないと思うのね。そういうことではなくて、俺が説明しないと絶対に伝わるわけのないポイントみたいなものが色々あって…まあ、それを今から言うんだけど。
excite:お願いします(笑)。
山 中:まず、一曲目の「Dance with God」という曲の中で、20年振りに<僕>ではなくて<オレ>って歌っているんだよね。それはわざとそうしたんだけど、最初に『パントマイム』っていうミニ・アルバムをインディーズで出して、そこに僕が高校生の時に作った「RAZORLIKE BLUE」って曲が入っているんだけど、高校生の時はTHE STREET SLIDERSとかが好きだったから、もちろん<俺>なんだよ、<僕>じゃなくて。で、20年に1回、<オレ>って歌うのも面白いんじゃないかと思って(笑)。
excite:(笑)。
山 中:っていう、自分的にはちょっと面白いっていう冗談が一個入っていて。あとは、もうとにかく膨大に溜まっている未発表曲を、全部聴き直したんだよね。それこそMDとかカセットテープにしか入って無いような音源も全部聴いてみて。結果、今回のアルバムに入っている「Lemon Drops」とか「ジョニー・ストロボ」がそういう感じの曲なんだけど。「Lemon Drops」って、もう10年前ぐらいに作った曲なのね。当時すごく気に入って、シングルにしたいと思っていたんだけど、シングルにするなら日本語で歌詞を書きたいと思っていて。でも、日本語を乗せると全く違う印象になっちゃって、あまり俺の好きな感じにならなかったんだよね。そこを何とか上手く出来ないかって何度もトライしたけど、2、3年経つうちに、どんどん気に入った新曲も増えて行くから。まあ、ずっと放って置かれていたんだよ。それを久し振りに聴いて、「もう『いつか出そう』とか言っているんじゃない、今年は絶対に書け、そして英詞でも良いぞ」って、自分に許しを出して(笑)。そしたら、すぐに歌詞が書けたんだよね。
excite:はい。
山 中:で、この歌詞っていうのは、オルタナティヴ・ロックのことを歌っているというか、もうはっきりnoodlesのことを歌おうと思って。11年前、ちょうど僕がオルタナを知り始めた頃に、noodlesと出会って大好きになって、noodlesのYOKOちゃんとかからThe PixiesやThe Breedersを教えてもらって、それによって自分でレーベルを始めたり、プロデュースにチャレンジするようになって。それはやはり自分の歴史にとってすごく衝撃的で大きな事実だったから、ちょっとガッチリ歌ってみようと思って書いたんだよね。ただ、100%noodlesっていうふうには、なかなかならないので、7割noodles 、1割Breeders、1割Liz Phair、1割that dogみたいな感じで、まあ色々オルタナティヴ・クイーンを並べて書いたような曲なんだけど。それをちょっとやってみようと思ったのも、やはり20周年を意識していたのかな?
excite:はい。
山 中:それと、最後に入っている「Primer Beat」って曲は、“第二期ピロウズ”と言われている、ジャズとかソウルとか、今とは全く違うジャンルにチャレンジした頃を意識した曲になっていて。その頃のことを、僕達は何となく良い思い出として語ってないことが多いんだよね。だけど、その頃のアルバムとか、ホントは大好きで、すごく良い楽曲を書いて、すごく良いバンドサウンドをやっていたなって思っているんだよ。だから、あの時代を否定しないっていう意味も含めて、こういうジャズっぽい曲を1曲入れたいと思って作ったし、それがもうアルバムの中で浮かないっていうか、みんな疑問を持たずに聴いてくれるんじゃないかっていう自信もあって、それで入れてみたんだよね。
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