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BUMP OF CHICKEN SECRET 2010.04.10(SAT) at 六本木ヒルズアリーナ
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(撮影/古渓一道)

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4曲30分のシークレット・ライヴで高鳴った、BUMP OF CHICKENの“今”
 4月10日、六本木ヒルズアリーナ、16時。心地良い春の空気と夕暮れ前の穏やかな陽光に包まれる中で、BUMP OF CHICKENの実に約2年振りとなるライヴが間もなく開演しようとしていた。オーディエンスは応募総数5万人の中から抽選で選ばれた1500人。さらにチケットは入手出来ずとも集まったファンが500人以上いたという。【BUMP OF CHICKEN SECRET】というそのタイトル通り、当日13時まで会場は“都内某所”とされたままだった。新曲「HAPPY」をオーディエンスの前で初披露することと、その模様を収めたミュージック・ビデオの撮影を行うことを目的に企画されたこのシークレット・ライヴは、当初から約10分〜20分程度の公演時間であることがアナウンスされていた。しかし、それでもやはり久し振りにBUMPの生音を今から体感出来るという特別な喜びと高揚が会場一帯に流れていた。

 16時3分、ここにいる多くの人が聴き慣れた、そして長らく待ち焦がれていた、ライヴのはじまりを告げるSE、THE WHOの「A Quick One While He’s Away」が流れる。と、同時に一瞬で興奮が人から人へ共鳴していくように大きな歓声が沸き上がり、ステージに現れた4人へ注がれる。

 藤原がおもむろに鳴らし始めたギターがSEを消して、その場の空気を確かめるようにしながら浸透し、幽玄な音像を形成していく。そこから像を結んでいった「R.I.P.」のイントロに気付いたオーディエンス達がまた一斉に声にならない声を上げる。升が刻むビートとオーディエンスのハンド・クラップが重なり、藤原のヴォーカルが導かれていく。直井は歌詞を口ずさみながらベース・ラインを紡ぎ、増川は静謐(せいひつ)な佇まいをもってギターに向かう。最初のブリッジ部分でグッと熱を増したバンド・サウンドはスケールの大きなメロディを際立たせ、<Rest In Peace>という4人のコーラスをどこまでも美しく響かせた。

 音が止み、藤原がゆっくりと口を開く。

 「お久し振りです。BUMP OF CHICKENです。今日はみんなに集まってもらって、すごくう、う、う、うれしいです(笑)。新曲を皆さんにいち早く聴いてもらいたくてこういう場を設けさせてもらいました。ありがとう!」

 そして、雄々しく歪んだギターのイントロから始まったのは「HAPPY」だ。この曲は音源でもハンド・クラップが大きな役割を果たしているが、それがこうしてオーディエンス一人ひとりの手から発せられるものに代わると必然的に曲に流れる生気もより生々しいものになる。サザン・ロックを精緻なサウンドをもって息吹かせ、BUMP OF CHICKENの核なるものを力強く照らすようなこの生命賛歌は、六本木の空に祝祭的に放たれ、あるいは同時にオーディエンスの足下に根ざし地に還っていくようにして高鳴った。

 予定されていた“最後の曲”として鳴らされたのは「HAPPY」に続く新曲「魔法の料理 〜君から君へ〜」。けやき坂から風で運ばれてきた桜の花びらが舞う。藤原の個人的な記憶が少年性と成人性が同居し、対話するようなソングライティングによって紐解かれる歌が、仲間達と交わすナチュラルバンド・アンサンブルが加わることによって素晴らしい普遍性を宿していく。その歌の全てをあますところなく感じ取るようにして聴き入るオーディエンスの佇まいがすごく印象的だった。

 「どうもありがとう」

 曲が終わり、藤原がそう言うと4人はオーディエンスからのいくつもの「ありがとう!」が交錯するなかステージを去っていった――と思ったら、踵を返して再び戻ってきた4人。

 「もう1曲やらせて!」と直井。歓喜の声を上げるオーディエンス。

 「3曲のことしか考えてなかったんですけど。この曲をやるのは1年と10ヶ月振りぐらいかな?」と藤原。

 「いや、2年は経ってるよ!(笑)」と直井。

 こうして全くの予定外だった“4曲目”に放たれたのは「ガラスのブルース」! 前のめりに疾走するサウンドの中でオーディエンスの誰もが笑顔を浮かべながら拳を掲げ、踊り、歌った。BUMP OF CHICKENの音楽世界がさらに大きなスケールと深度を増したことを告げる3曲とその原点として輝き続ける1曲によって築かれた「BUMP OF CHICKEN SECRET」という“今”は、こうして確かな幸福感と“次”への期待感を残しながら幕を閉じた。

(取材・文/三宅正一)
BUMP OF CHICKEN SECRET 2010.04.10(SAT) at 六本木ヒルズアリーナ
セットリスト

1.R.I.P.
2.HAPPY
3.魔法の料理 〜君から君へ〜
<アンコール>
4.ガラスのブルース
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