L'Arc〜en〜Ciel インタビュー
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INTERVIEW
エキサイト 「X X X」はhydeさんの作詞作曲になりますが、曲を作るときに何かイメージしていたものはあったんですか?
hyde 元々はiPhoneに思いついたメロディを入れてたんですよ、どアタマの2小節のメロディなんですけど。昨年の年末かな、もうすぐ曲の発表会があるってことで作曲態勢にはなってたんでしょうね、ふと頭に浮かんだのを入れていて。で、いざデモを作るっていうときに、そのメロディをどうするかな、と。普通ならそこにギターを付けるけど、今回はメロをキーボードでプログラムしてシンセでコードをつけるってところからスタートしたんですよね。
エキサイト そういう作り方ってこれまでは?
hyde ほぼ、ないですね。今回は漠然としたイメージの中で、ロックじゃない音…例えばDestiny's Childみたいなのをロックにするとどうなるだろうなって、そのミクスチャーを考えてたんですよ。そうしたときにギターから作っちゃうと今までとあんまり変わらないなって。でもところどころにリフとか、ロック バンドでしかできないものが出てくるっていうのが構想にあったんです。ある意味、ロックへのアンチテーゼというか…最近のロックと言われているものよりも、実はポップスやR&Bのほうがヘヴィだったりロックだったりするなって思うことが多くて。だからそこをあえてミックスしてロックとポップスの両立を目指そうと。言ってしまえばL'Arc〜en〜Cielっていうバンドでどういうカッコいいことができるか、自分の中で考えてプロデュースした感じですね。L'Arc〜en〜Cielって打ち込み番長もいれば、フェミニンな雰囲気もあったり、それでいて大人だったりするじゃないですか。そういうL'Arc〜en〜Cielならではの世界観を持ちながら、ロックであるというのを自分なりに描いて、そこに向かって作っていったという。
エキサイト そして、それが見事シングルに決まり。
hyde はい。スタッフは他の曲を推薦してましたけど、メンバーは全員これをシングルにしようって言ってくれました。俺も心の中ではこれがいいと思ってたけど(笑)、メンバーがこれをシングルにしたいって言ってくれたのは嬉しかったですね。「お、さすが! わかってるね」って(笑)。
エキサイト レコーディングはスムーズでしたか?
hyde 僕以外は早かったです。僕はデモでやり尽したんで、それを超えるのがホント難しくて。普段からそうなんだけど、歌詞がついた時点で曲の雰囲気って結構変わっちゃうんですよ。そこをいかに雰囲気を変えず自分の理想に近づけるか…だから歌もずーっと歌ってました。発音の問題もそうだし、歌詞もキャッチーでありたかったし、すごく悩みました、全ての面において。録った後に「やっぱり倍音が足りない」って倍音のためだけに歌い直したりとかね(笑)。どうしてもデモと比べちゃって歌だけでも苦労したのに、その後もまた大変で。
エキサイト え、何があったんでしょう?
hyde ミックスしながら別のスタジオで「コーラス、もう一回録らせて」とか(笑)。ミックスも一応は納得して終わったんですけど…終わったのが明け方だったんで、その段階で判断するのはちょっと難しいなと思ってたんですね。後々やっぱり納得できなくて、「なんとかならないのかな」って思いつつ、なるべく気にしないようにしてたんだけど、全然別のところで問題が発覚してマスタリングをもう一回やり直すことになったんですよね。だったらと思って「ゴメン、もう一回ミックスやらね?」ってゴリ押ししたっていう(笑)。
エキサイト ミックス ダウンをやり直すって異例のことですよね。
hyde しかも2回目も結構びっちりやりましたからね。ホンット苦労しました。「どうしたらいいだろう?」って悩むこともすごく多かったけど、kenちゃんが親身に相談役になってくれたり、ユッキーからは「この打ち込み具合はなくさないほうがいいと思うよ」って意見をもらったり。俺も変に生っぽくしすぎるとこの曲のよさが活きないと思ってたから、そこは意識して死守しました。teっちゃんも折々でアイデアをくれたし、何より最初に「この曲がいいな」って言ってくれたのはteっちゃんなんで、そういう意味では案外L'Arc〜en〜Cielの意見が飛び交った曲ですね。
エキサイト ところでこの「X X X(キス キス キス)」というタイトルは最初からあったのでしょうか?
hyde おぼろげに。デモの段階で“キス”って言葉は出てきてたんですね。ただ、『KISS』っていうアルバムあるしな、とか思いつつ(笑)。でも、タン、タン、タンってメロディもあったし、これが一番いいな、と。
エキサイト hydeさん、“キス”っていう言葉がお好きですよね。
hyde いや、キスが好きなんです(笑)
エキサイト でも、これは深読みしすぎかもしれないですけど、ベスト盤『TWENITY』のジャケットに“X X”ってロゴが掲げられてましたよね。この曲はそれこそ『KISS』というアルバムの次の作品に入る曲でもありますし、そういう“20周年を踏まえて次”みたいな意味も兼ねて「X X X」と綴られているのかなって。
hyde それもちょっとあります。言ってしまえば30周年に向けて、っていう意味もありますよ。こじつけっちゃこじつけかもしれないけど、一応そういうことも思ってました。ただ、僕にとっては未来というより“現在のL'Arc〜en〜Ciel”をいかにカッコよくさせるかがテーマで。どうしてもシングルは明るい曲になりがちなんで、そこじゃないところで勝負したいなとは思ってました。たとえシングルにならなくても、アルバム曲として“L'Arc〜en〜Cielのいいところ”であり“今現在、次のアルバムに足りないところ”を探してたというか。L'Arc〜en〜Cielを好きな人が必ずしも元気で疾走感のある曲だけを好きじゃないだろうし、ちょっと陰のある曲を好きな人もいっぱいいるから、そういう部分は表現したいな、と。
エキサイト そしてカップリングの「I'm so happy -L'Acoustic version-」。初の試みであるアコースティックでこの曲を選ばれたのは、やっぱり「I'm so happy」に対する思い入れが、hydeさんの中で大きいんだろうなって。
hyde それはあるかもしれない。<I love you>って歌詞を昔はちょっと照れてたけど、すごくよくハマッたなって自分でも思ってて。でもコンサートで演奏するには「I'm so happy」をオリジナルのままやろうと思うと強豪が多すぎるんですよね(笑)。ライバルが多すぎて、「カップリングの曲やってる場合か!」ってなるんで、やるとしたら、こういうアレンジしたバージョンしかないんじゃないかなって。
エキサイト あと、歌詞もオリジナルから少し変わりましたね。
hyde 歌うときに少々メロディが変わるような歌い方をしたかったんです。フェイクがガンガン入るような。でも歌詞が決まっててもう何回も歌ってる曲って自分の中でメロディがロックされてて、すごく崩しにくいんですね。だったら一回、歌詞を失くして、ラララから歌ったほうがフェイクは入れやすい。それで一度自由に歌って、その後にもう一回歌詞をもってきたら、どうしても合わないところがあったので、じゃあ今の解釈で変えてみようって。当時は照れたり表現の方法を知らなくてできなかったことを今の俺がやるとどうなるのかなって気持ちも込めつつ、当時のわかりにくかったところをわかりやすくするのもアリだろうと。
エキサイト 今回のシングルは2曲とも作り手の強い意思が感じられて。ここまで積極的に意思表示した作品というのも実はめずらしいんじゃないかなとも思いましたが。
hyde 奇しくもプロデュースが重なったので、よりそういう感じになったのかもしれないですね。本気でいいシングルを作りたいなって…カップリングも惰性とかではなく、しっかりと地に足つけて目を配った感じというか。意識したわけじゃないけど、なんだかそうなっちゃったんですよ。ま、20年に一度くらいそういうのもあっていいかなって(笑)。
hyde
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