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Interview with 清水翔太

つらくても欲しい、と思うのが“love”
3rdアルバム『COLORS』では、これまでの良さを膨らませつつ、新たにオトナな魅力を手にした清水翔太。7月には再び加藤ミリヤとの強力コラボが実現するなど、話題が尽きない。そんな彼のアルバム後、初のリリースとなる新曲『love』が完成した。今、自分が思う“愛のかたち”を詰め込んだ渾身の1曲だ。「僕にとっての“love”はこれ」と言い切るほど強い想いがこもっているが、生まれるまでには、葛藤やスランプという苦しみも味わったという。暗い闇の先に見つけた、明るい光のような楽曲「love」への想いや、“今、歌うこと”についてたっぷり語ってくれた。
(取材・文/橘川有子、スチール撮影/木村隆宏)

Video Comment

Excite:新曲「love」は切なさや愛おしさが迫ってくる曲ですね。
翔太:この曲とカップリング曲「Song for you」はわりと同じ時期に出来ました。まず「Song for you」が出来たんですが、実はアルバム発売後、曲作りに行き詰まって、スランプに陥った時期があったんですよ。
Excite:それはなぜですか?
翔太:何をメッセージすればいいかわからなくなったというか…。アルバムでやり切ったというのもあるし、震災があって、今、アーティストとして何をすべきかを考えさせられました。と同時に、アルバムへのリアクションも震災の影響で見えなくなってしまって、どう受け入れてもらったのかもわからなくなってしまったんですよ。そういった“何も見えない”というような想いは、いろんな職業の人が感じたと思います。いろいろ考えていく過程で、自分は何のために、誰のために音楽をやっているのかをすごく考えました。そして、震災後に自分に何ができるかということへの一つの答えとして「Song for you」が出来たんです。
Excite:そんな葛藤があったんですね。
翔太:最初は、このタイミングでラブソングを書くのはどうだろうというのもあったし、かといって“日本、がんばれ!”みたいな曲も違うような気がしたんですよ…。
Excite:真摯に音楽と向き合っている人ほど震災直後、無力感を感じたとおっしゃっています。
翔太:そうかもしれませんね。いろんな捉え方があって、すぐに被災地へ行って歌を届けることができる人もいますが、いろんな事情や制限があって、そういかないことも多い。そんな想いが形となったのが「Song for you」で、最初はこちらをシングルにしようと思ったんですよ。でも、きっと“がんばれ”という曲はこれからたくさん出てくるだろうなと思ったし、アルバム後に初めて清水翔太がリリースする曲が、これでいいのかという気持ちもありました。それに「Song for you」は静かに寄り添うような楽曲なので、それを前に押し出さなくてもいいんじゃないかという想いもあった。だから、より良い曲が出来たら、そちらをシングルにしたいと思うようになったんです。

Excite:変わらずに愛の歌を歌い続けるのも一つの強いメッセージだと思います。具体的にはどうやって作っていったのですか?
翔太:いつも最初に浮かんだことを一行書き始めるんです。この曲は<透明な涙が 君の頬をつたっていく>という最初の部分が浮かびました。なんていうか…痛みに気付けないって悲しいことだなって思っていて。それが大切な人であればなおさらですよね。しかも、その原因が自分だったりしたら悲しいことだけど、相手を傷つけていることに気付けないって恋愛にはありがちなことでもある。どんなにわかり合っていると見える二人であろうと、どこかで相手を傷つけたり、傷つけられられてしまう…。それでも一緒にいたいと思う人とだけ、長くずっと一緒にいられるのかもしれないなって。恋愛では傷つけられて諦めそうになったり、傷つけてしまって相手に申し訳ないから…と心が折れそうになったりする瞬間が何回あるけど、それでもずっと一緒にいてもいいんじゃない、という曲が書きたかったんです。
Excite:切なさと優しさが混じり合う歌詞ですが、具体的なシチュエーションを思い描いて書いたんですか?
翔太:というよりは、この歌は感情の歌だと思います。今回の歌は、多くの人に共感してもらえるような気がしていて。好きで、大切な人だから傷つけたくないのに、つい傷つけてしまう。それはすごく苦しいことだけど、でも一緒にいないと成り立たない、やっていけないという関係性ってすごいなって。歌詞にも書いたけど、痛みを伴っても必要に思うものが自分にとっての“love”だなと思いますね。
Excite:それってすごく強い想いですよね。
翔太:そうですよね。普通なら、しんどいものはいらない、ってなりますよね(笑)。つらくても欲しい、というのって“love”なんだろうなって。
Excite:深い想いだからこそ、タイトルはひとことでシンプルにした?
翔太:曲が出来上がっていって、これは“loveだな”と(笑)。いくつか理由はあって、タイトルで(歌詞の)内容をあまり語りたくなかったんです。今回はとても細かい感情描写なので、細かければ細かいほど、タイトルはシンプルにしたくなる。LOVEにはいろんな形があるし、いろんな表現の仕方がある。その中で僕にとっての“love”はこれかなと思って。多分、今回のこのリリックは僕にとっての恋愛観や僕が書くラブソングの集大成というか…清水翔太らしさと冒険を含めて、一番綺麗に混じり合った作品になったのかなと思っています。現時点での、自分が発信したい“LOVE”はこういうことなんだろうなって。