エキサイト アルバム制作が苦しくなかったというのは、今回の歌詞にも投影されていますが、さらに上を目指そう、ここが始まりだという強い意気込みが溢れていたからですか?
TAKUYA∞
そういう意気込みもあったかもしれないですけど、それ以上に、何も考えずに音楽できる状況っていうのがあって。スタッフも、売れなきゃいけないっていうプレッシャーを掛けてこないし。純粋にUVERworldの音楽を、一リスナーとして楽しみにしてくれているんです。そういうのを感じると、インディーズ時代にみんなで楽器を持って集まっていたころのように、曲を作ることができるというか…。インディーズ時代に苦しみを感じるヤツっていないじゃないですか。
エキサイト 好きでやっているわけですからね、音楽やバンドを。
TAKUYA∞
そうそう。そういうところに戻れたんです。さっきの“ジャズっぽい感じ”と言ったのは、多分、僕なんですよ。ベースの信人に、ここはジャズっぽくしてくれって。そしたら信人は、その足でウッドベースを買いに行くんですよ(笑)。今回、信人は楽器屋さんみたいになってましたよ。
真太郎
毎日のようにベース用機材が増えていくんです(笑)。
TAKUYA∞
ここにシンセベースの音が欲しいなと言ったら、翌日には買ってきていて。アイツはすっごい柔軟なんですよ。あのときもウッドベースが欲しいと言ったのは、夜8時ぐらいだったんです。で、「楽器屋は9時まで開いてるな、行ってくる」って(笑)。その間、僕らはウッドベースを置いていそうな楽器屋を探して、信人に電話もして。そして無事に買ってくるっていう。それまでアイツはウッドベースを弾いたことがなかったんですけど、ネック横にフレットの目印を描いて。それで、今はライヴで弾けてますもんね。
エキサイト やる気と吸収力がすさまじい男!
TAKUYA∞
そういうのを見ていると、僕も何か新しいことを考えなきゃとか、もっと何かないのかなって思うようになって。今までボコーダーの歌パートはシーケンスで流していたんですけど、今はマイクを2本持って、ボコーダー部分は専用マイクで歌うようにして。とにかく、みんながみんな、お互いのテンションを上げあっているんです。
エキサイト その刺激しあう様も、原点みたいな感覚ですよね。
TAKUYA∞
真太郎もビンテージのバスドラを探して買いに行ってたもんな。1曲の中で2つのセットを使った曲もあって、ライヴで再現しようとしているし。
エキサイト その熱いほどの積極性は、今までともまたひと味違う感じですね。
TAKUYA∞
やっぱり自由度がどんどん広がっていて。これはダメだと言われるだろうというものあるじゃないですか。実際にありましたから。でも最近は、自分達で責任持ってやるから、やらせてくれという流れで。例えばウッドベースやバスドラも、今、自分達でやっているバンド貯金から出したんですよ。今、インディーズ時代みたいにバンド貯金していて、そこから機材を買ったりして、バンドに還元していってるんです。ライヴハウスで使う足元のモニター・スピーカーも、自分達で買ったやつなんです。そういうふうに自分達で責任を持ってやることで、いろいろ許される部分もありつつ。そうなるといろんなものが広がってくる。それが精神的にも影響するんです。すごく自由な発想も生まれてきて、今回、制作していて本当に楽しかったです。
エキサイト そういうマインドだからでしょうか。すごく強さを感じる詞です。自分から出てくるのも早かったですか?
TAKUYA∞
早かったです。書こうと思ったら、スッと出てきて。歌詞を書くのも楽しかったですね。歌詞ってずっと苦手なものだったんです。インディーズのころとか、デビューして3~4年とか。それがいつのころからか楽しみに変わっていって。今回、スタジオから家まで毎日、走りながら帰っていたんですよ。途中、吠えながら走っていました。やったる!みたいな、歌詞に対する闘争心で。歌詞への向き合い方が昔とは違いますね。
真太郎
僕もね、チャリで通おうと思ったんですけど、いかんせん遠かった(笑)。
エキサイト 王道すぎる理由(笑)。それはともかく、『THE ONE』に収録されている曲は、正直な言葉と素直な想いから出てきた詞ばかりですよね。
TAKUYA∞
そうですね。でも歌詞も、まだまだイケると思います。
エキサイト 今回のアルバムを聴くと思うことがあるんですよ。UVERworldはどこを目指しているのかってことです。
TAKUYA∞
うん。“ああいうことをやりたい、こういうことをやりたい”ってのはあるんですよ。でも現段階では、マンガを描く作者のような言い方ですけど、そのキャラクターが何を言うか分からへん、みたいな。そのキャラクターに任せていく、みたいな。僕らもそういうところがあって。UVERworldが作っていく流れみたいなものに自分らは順応して、最大限の自分らを出している感覚なんです。自分達もどこに行けるのか分からへんし。“ああいうことやりたい”ってのもあるけど、ハッキリしたそれは、せいぜい半年先までぐらいのことだし。どこを目指しているんですかね。でも、ハイクオリティの楽曲を作る、納得できる歌詞を書く、それが楽しいっていう時間帯がやっと訪れた気分でもあるんです。今の状態を、もう少し続けさせてもらおうかなって。
エキサイト そしてUVERworldというバンドに、思う存分に踊らされる感じですか?
TAKUYA∞
ああ、もうそれがいいですね(笑)。
エキサイト もう年末も近いですけど、2012年はどんな一年で、2013年はどんな年にしたいですか?
TAKUYA∞
12年間、UVERworldをやってきて、一番濃密な一年間だったのは過言ではないんですよ。凝縮された集中しきった時間を過ごしてきましたからね。ここまで音楽できるんやって、さらに気付かされた一年でもあったし。来年はそれを踏まえて、今年より過激なスケジュールの中でUVERworldタイムを作って…、ずっと生き急いでますけど、スピード感をさらに上げようと思ってます。
真太郎
そう、今年を踏まえて時間を過ごせそうかな。ある程度、立っている予定を聞くと、来年に対するワクワク感がすでに出てきてますね。年始まりのZeppツアーも楽しみなんですよ。来年の今ごろになると、デビュー10周年とか見えてきちゃいますよね。いろいろ期待も膨らみます。