「この頃初めて“自分”を持ったんやと思う」TOMOMI
エキサイト そして2010年。もう5枚目のシングル『瞬間センチメンタル』ですね。
HARUNA
この流れは良かった。
RINA
『BEST★SCANDAL』で「このバンド、好きや!」って思ってくれたファンの人を全く裏切らなかった曲やなと思いますね。
HARUNA
この時は赤のレザーのジャケットだったんですけど、ここで1回ちょっと(いわゆる制服っていうイメージから)脱しようっていうのがあったんです。
MAMI
ちょっとハード目にしてね。
RINA
この撮影の時のこともめっちゃ覚えてる。アホなんですけど、ドラムの椅子に座ってるRINAを引きで撮るって言われて、「私、そんな大人しいドラマーじゃないんで立ちます」って言ったんですよ(笑)。
MAMI
あははは!
RINA
「足を掛けるポーズにする」ってRINAが言って、(カメラマンさんも)「わかったよ」って(笑)。アホですよね(笑)。
MAMI
CDの盤にジャンプしてるシルエットがあるんですけど、僕はギタリストと言えば足開いて飛ぶやつだと思い込んでたから「これ、やります!」って言ってずっと飛んでたの覚えてる(笑)。普通の飛び方でもいいよって言われてるのに「飛びます」って言ってずっと飛んでた。
TOMOMI
「瞬間センチメンタル」は、2コーラス目のAでメロディーが変わるんですけど、最初は別に変わってなかったんですよ。でもちょっとフックが欲しいってことでAメロを変えてもらって、私はそれが上がってきた時の感動がスゴかったのをめっちゃ覚えてます。そこの部分が気に入り過ぎて、レコーディングのスタジオでそこだけ連続で流してもらいました。「もう1回、もう1回!」って。自分の中ですっごい画期的やったんですよ。
RINA
レコーディングの日も「音が若い」ってずっとスタッフに言われてた気がする。アレンジャーの川口(圭太)さんとか作曲の田鹿(祐一)さんに、「君達、ホントに若い音してるね」って。それが「今しか出せないんだよ」って意味だったって、今になってやっとわかる。
エキサイト といっても、3年前ですけどね。
MAMI
3年前!? なんか5年くらい前な気がするよ。
エキサイト このあたりはツアーもあったし、ZONEのカバー曲出してシークレットイベントをやったりもしてましたね。
RINA
懐かしいな。
HARUNA
このあたりが一番いろんなことやってた気がする。
TOMOMI
モヤモヤもしてたしね。
MAMI
うん。
エキサイト どういうことでモヤモヤしてたんですか?
TOMOMI
「瞬間センチメンタル」とかで、自分たちの中で「こういう方向が好きだ」っていうものがボンヤリだったけど見えてたんですよ。自分たちはこういうジャンルが好きなんだってわかりかけてきた時に、全く違うアイデアがスタッフの方から来た時の拒絶反応がすごかったんですよね。
MAMI
バンドっていうものはカッコよくありたいと。自分たちがバンドである以上、カッコよくありたいと思ってたので、音的にもハードめが好きだったし、歪んだ音が好きだなぁってところが軸にあったんですね。それで「少女S」とか「瞬間センチメンタル」とか、ちょっと男勝りじゃないけど、演奏のスタイルとかもそっち寄りになっていってたんですよ。
RINA
わかりやすいロックしかやりたくないと思ってたんです。
TOMOMI
せっかく私たちのことを「カッコいい」って言ってもらえるようにもなってすごく嬉しかったのに、そうじゃないこと(=スタッフからのアイデアみたいなこと)をやってたら、「カッコいい」とも言われなくなるんじゃないかって。やっぱり自分たちに絶対的な自信はまだなかったから、不安だったんですよね。
RINA
「かわいい」みたいなことをするのが心配やったんです。
エキサイト そんな中でリリースされたのが「太陽と君が描くSTORY」。
HARUNA
今でこそホールクラスのライヴでは最後の方に持ってくる曲だし、やっぱりみんな好きな曲なんだろうなっていうのがこっちから見ててもわかるので、こういう曲を作っといて良かったなと思いますね。「瞬間センチメンタル」みたいな曲も好きだったけど、ここまでポップに突き抜けた曲っていうのも、考えたら、今のSCANDALだったら、全然アリだろうと思います。
エキサイト ジャケット、めっちゃかわいい笑顔ですよ。
HARUNA
ここまでは笑わないって決めてたんです。写真では笑わない。でもここから解禁になったんです。
エキサイト それはどういう心境から?
TOMOMI
これがシングルに決まって、笑わなかったら意味がわからないかなと思って(笑)。
エキサイト こんなに爽やかな曲なのに(笑)。
MAMI
単純に笑うのはイヤでしたけどね。笑うっていうか、ちょっとキャピキャピするのが普通に苦手でもあったから。せっかくここまで守ってきたものがって気持ちもありましたけど、でも今は「この曲をやっといて良かった」と思えてるからね。
TOMOMI
今、大好き。今こそ好きな曲。
HARUNA
ミュージック・ビデオもめっちゃいいしね。
RINA
撮影の時にHARUのスカートのサイズ、間違われてて入らんってこともあったな(笑)。
HARUNA
そうだっけ??
RINA
バスの中でスカート切ったやん(笑)。スタイリストさんが詰める場所を間違えたみたいで、犬の服ぐらいのスカートが来た(笑)。
一同
(爆笑)。
RINA
入らんってわかっててんけど「1回はいてみよう」ってなって、はいたら足で止まってた(笑)。それでスカート切って。「そりゃそうやな(笑)」と思いながら横でずっと見てたもん。
TOMOMI
あと、これみんなお腹を出す衣装だったんですよ。
RINA
それちょっと恥ずかしいなと思ってた。照れてた。でも今になってホンマにいい曲やなって思えてるからこそ、その時の視野の狭さが笑えますね。やるべき曲でした。
MAMI
ひねくれてたな(笑)。
RINA
アホやってん。頭悪かったわ(笑)。
TOMOMI
でもこの頃初めて“自分”を持ったんやと思う。「これが自分たちなんや」って思い始めた頃やったから…。
RINA
守り方が下手やったんですよね。
MAMI
イヤだって言うことしか出来なかった。
TOMOMI
ケンカしか出来なかったし。
RINA
すぐ泣くとかな(笑)。
MAMI
ムスッとするとか(笑)。もう笑い話だけどね。
RINA
かわいいよね(笑)。でもこれも3年前か。
エキサイト そしてあっという間に2ndアルバム『TEMPTATION BOX』ですよ。
HARUNA
その前に『涙のリグレット』ってシングルが出てるんですけど、こういうアルバムに先駆けての先行シングルは、さらにいろんなことに挑戦するっていうものなんですね。SCANDALの場合は特に。
TOMOMI
タイミング的に、挑戦出来るシングルなんですよ。
MAMI
言ってみたら新しいカテゴリーですよね。先行シングルって。そこからのアルバムってことですけど、これまでジャンルに富んでると言いつつ、このアルバムがたぶん一番富んでると思いますよ。すごくテクニカルなアルバムだと思うし。
エキサイト 1stアルバムとは全然違う“ムード”がありますよね。
MAMI
そうそう。
RINA
1stはシンプルな音っていうのでやってたんですけど、2ndは自分たちの楽器以外の音もどんどん入れちゃおうっていうアルバムだったから、派手さはすごくありますよね。
エキサイト このアルバムのリリースと同時にファンクラブも発足しましたね。コピーバンド大会を行なったり、シンガポールでの公演もありました。
RINA
今はもう1年に1回は海外に行かないと、それも含めてのリズムになってるんですよね。
HARUNA
2011年に入ってからの活動を見ても、このへんから徐々に自分たちのペースというか、1年通しての流れっていうものが作れるようになってきた時期のように思いますね。ここまでは新しい挑戦っていう2年だったと思うので大変なこともあったけど、自分たちの意見っていうものをしっかりと持って活動出来るようになった時期だとも思います。
RINA
あと、『Pride』のカップリングに「Emotion」が入って、これがメンバー詞曲の初回だったんですよね。やっぱり意識も変わったし、見られ方も変化していくようなシングルでした。
HARUNA
11枚目の『LOVE SURVIVE』も先行シングルなんですけど、これはすごく成長しました。今でもライヴでやる曲なんですけど、ファンの人にここまで愛される曲になるとはその時は思ってなかったんで。
TOMOMI
イントロの爆発感は、この曲に勝るものがない。場面を変えられる曲でもあるから、ライヴには欠かせないんです。
エキサイト そしてこの年の夏には3rdアルバム『BABY ACTION』がリリースされました。
RINA
これ作る時、めっちゃ楽しくなかった?
HARUNA
そうだね。『TEMPTATION BOX』に比べるといろんな意味で落ち着いてて、いいアルバムだなぁと思います。単純にその時の自分たちがしっくりくる曲を詰め込めた一枚だと思うし、いい意味で少し若さが半減してる気がするんですよ。
MAMI
制服を脱いだタイミングでもあるからね。
RINA
RINAが卒業して、学生がゼロになったから。
TOMOMI
『Pride』から、お揃い感はあるけど制服っぽさは抜けたんですよね。
RINA
そういうところも意識して、アルバムもガラッと変わったんです。
エキサイト ビジュアル面でも自由度がグッと広がりましたね。
MAMI
自由になったけど、やっぱりある程度の統一感みたいなのはまだ必要かなというのがあって。見た目のインパクトも必要だけど、舞台に立った時にバラバラだとSCANDALっていうバンドらしくないなというのがまだあったからね。今でこそライヴの衣装とかはすごくカラフルでみんなバラバラなものを着てたりもするけど。でもこの当時はこれで全然正解だったと思います。
RINA
キャラがわかりやすくなったかな。
HARUNA
(MAMIは)金髪にもなったしね。
「SCANDALらしく、よりカッコいいことをしていきたい」HARUNA
エキサイト そして2012年。初のベスト・アルバム『SCANDAL SHOW』をリリースし、日本武道館でのワンマンを成功させました。
HARUNA
楽しかった。すごく。
RINA
楽しかったな。
MAMI
僕、記憶ないです…。
RINA
そう、MAMIが一番緊張してた。
HARUNA
私、武道館はまだ地に足が付いてたなぁ。
TOMOMI
いつものライヴやったらみんな背中叩いて出て行くんですけど、武道館は出て行く場所がバラバラやったから、直前に背中を叩いて勢いで出て行くっていうのが出来なかったんです。あれは結構緊張というか、いつもと違う感じがすごくありましたね。なんか怖かった。
HARUNA
でもすごくいい会場でした。あまり大きく見えないというか、お客さんを近くに感じられるので、顔とかも見えるんですよ。会場が一つになってるなっていうのを感じながらやってましたね。
TOMOMI
会場のパワーってすごかったな。神聖な場所のパワーがあったから、そこでやれたことが自信にもなったし、武道館でのライヴがなかったら城ホールは絶対出来てなかったなって思う。
エキサイト その城ホールに関しては、先ほども話に出ましたがその年の8月にやった城天でのライヴの時に発表したんですよね。
HARUNA
この辺りになるともう最近のことですよね(笑)。
RINA
うん。でもこうやってみてくると、今の自分にズレがないのって今年のシングルからのような気がしますね。今年出した『ENCORE SHOW』も、これまでの曲だからとはいえ、アプローチとかいろんな面で若く感じる部分があるし。『Queens are trumps-切り札はクイーン-』もたった1年前やけど、あの時と今とじゃ全然心境が違う。
エキサイト 『Queens are trumps-切り札はクイーン-』、あれはあれでものすごく世界観を持ったアルバムだったし、この時期だったから出来たこともありましたよね。
RINA
そうそう、HARUNAがハンドマイクを普通に使い始めたし。
MAMI
ホールツアーからね。ビジュアル面もちょっと強い感じで。
TOMOMI
このアルバムは今までいろんなジャンルをやって来た中でも、やっぱり自分たちはこういうのが好きなんだって改めて感じながら作ったアルバムだったなって思いますね。
エキサイト そして今年2013年といえば、3月3日の大阪城ホールですね。
HARUNA
もう1年ぐらい前みたいな感じですけどね(笑)。
TOMOMI
幕が開いてお客さんと対面した瞬間に、自分たちの中で、何か1枚羽織ったというか、何かをまとったような気分でした。強くなったというか。うん、これは一生脱げないものだと思います。
エキサイト 結成当初からの夢が叶ったその日の夜はどう過ごしたんですか?
HARUNA
打ち上げましたね(笑)。
RINA
録ったばかりのライヴ映像をみんなで見ながらご飯食べて、そのシメの挨拶とかでは泣いてました。
TOMOMI
泣いたね。
RINA
ホンマに嬉しかったから。スタッフもこれだけ増えてたんか!って目の当たりにすると、やっぱりみんながついてきてくれてるのってすごいなと思った。5年って短いけどちゃんと変化出来てるし、時代に合った音楽を出来るバンドなんやって改めて思いましたね。いろいろ出来るってことは長く続くやろうなって、今すごく思ってます。
エキサイト なるほど。
RINA
今年でとりあえずバンドのいろいろが固まる気がする。だから来年から本当のスタートな気がしますけどね。
HARUNA
確かに。
RINA
ライブハウスからはじまってアリーナまで5年間で全部まわれて、ファンクラブも出来て、いろいろなことが固まって、いろんな人とやってきた。今年はすごいコラボレーションの1年だったしね。来年からはそういう5年間をまた自分たちのフィルターに通して、4人から出てくる何かがあるんやろうなって思ってますよ。
TOMOMI
今年は人の歌が歌いたいってインタビューとかでもよく言ってるんですけど、日常を見つめ直す機会が多そうな気がしますね。作詞する上でもそうだし、自分たちのバンド生活についても、客観的に見れるような気がする。
エキサイト もっともっと自分たちらしさがにじみ出て来るんでしょうね。
TOMOMI
毎年アルバム出してきてるけど、その時に思ってたこととか考えてたこととかみんなで話してたことが、ちゃんと形になってるんですよね。気付かないうちに。だから来年は相当すごいアルバムが出来るんじゃないかな。
MAMI
この5年間、すごく濃くてめちゃくちゃ早く感じてるんですよ。大阪城ホールやったのも半年前だけどもっと前に感じるし。だからもっと充実しながら、また同じ期間、5年とか10年とか続いていくんじゃないかなと思います。たぶん4人が作りたいものの意志だったり気持ちが統一されていれば、この先も全然問題ないと思いますよ。
TOMOMI
10年って…2018年?(東京での)オリンピックもまだやん(笑)!
HARUNA
それもすごいよね(笑)。でもこうやってちゃんと5年振り返ってみると、毎年毎年、出来ることとか自分たちがやりたいことが増えていって、どんどん新しいことが出来てる気がするんですね。でも毎回同じ流れでもあったんだなとも思うんです。シングル作って、アルバム作って、ツアーに出てって。
TOMOMI
リズムが出来たんやな。
HARUNA
そう。この5年でひと通りのリズムは固まったなと思うので、来年からはまた新しい流れを作ってもいいのかなって気はしてますね。この5年を活かして、もっと自分たちの良さを出していけるように頑張りたい。そしてSCANDALらしく、よりカッコいいことをしていきたいと思ってます。