FUMIYA FUJII 藤井フミヤにしか歌うことが出来ない豪華盤
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Excite:まず、このように色んな人とコラボしたアルバムを作ろうと思ったきっかけを教えて下さい。
藤 井:それはね、まず『BS☆フジイ』(BSフジで放送されていた音楽番組)っていう番組があって。ワン・ゲストで、生演奏で4曲ぐらい録るんですけど。今、フル演奏で4曲も歌える番組ってなかなか世の中に無いので盛り上がるんですよね。で、収録後、ご飯食べに行けたら食べ行って。そこで、音楽話で盛り上がったりして「今度なんかやりましょうよ!」って話に意外といくんだよね。
Excite:では、この楽曲提供されている方っていうのはそういう感じで?
藤 井:3分の2くらいは出演したことがある人。それで、「じゃあ、そういうアルバム作ろうか」ってことになってきて、バランス見て発注をかけたりして。
Excite:デビュー25周年っていう節目が、こういうアルバムを作るきっかけにもなったのかなと思ったんですけど。
藤 井:そうだね。丁度、その25周年で一応のリセット的な気分なので、新たな第一歩としてはもう一度“シンガー”に立ち戻って色んな人の歌を歌ってみるっていう。
Excite:この提供者の方々とは元々面識はあったんですか?
藤 井:ほとんどあるねぇ、無かったのは財津さんとクレイジーケンさん。財津さんは人生の中で2回くらいすれ違ったことがあるくらい。
Excite:では敢えて、あまり面識の無い財津さんにお願いしたのは?
藤 井:財津さんはね、本当に偶然のたまものなんですよ。ドラマ『クッキングパパ』(「ふたつの青空」が主題歌)がね、テレビ西日本制作だったんですよ。いわゆる福岡のテレビ局で、局側が(制作を)福岡人でどうも固めたかったらしいの。で、「主題歌を財津さんが作ってフミヤくんが歌ったら面白いんじゃない?」ってことだったみたいで。そういうオファーがあって、それが、丁度このタイミングだったんで「じゃあこれも入れちゃえ」って。財津さんの歌が歌えることになったのは非常にラッキーでしたね。
藤井フミヤ
Excite:ありきたりな感想になっちゃうんですけど、すごく良い曲ですよね。フミヤさんっぽくもあるなぁと思って。
藤 井:「TRUE LOVE」に近いような感覚の、普遍的と言うか。古くも新しくも無いっていう、そういうタイプの曲だね。
Excite:その他の人選というか、お願いする人はどんなふうに決めたのですか?
藤 井:マッキー(槇原敬之)とかは番組に出てくれたことは無いんだけど、バックバンドがすごいうちと重なってて、知っているような知ってないような仲なのよ。それでまぁミュージシャンの結婚式で会ったりとか、ちょっとしたとこで会ったりとか。スキマスイッチのシンタ(常田真太郎)くんはイベントで会ったり。ベンジー(浅井健一)は昔から友達で、フジファブリック辺りはウチの息子がファンだったりして。そんな色んな繋がりで何となくこういうラインナップになった。
Excite:人選に際して、曲調とかは意識しなかったんですか。
藤 井:曲調はね、もうその人の得意分野。だからこれ未発表曲のカバー・アルバムみたいな感じでしょ。(奥田)民生くんもなんだけど、結構みんな自分のバンドに近いんですよ。GOING UNDER GROUNDは全部ゴーイングの伴奏、演奏なんで。もうヴォーカルが変わってるだけなの。トライセラ(TRICERATOPS)もそう。全部バンドがそうなんで、人の車に乗ってる感じ。ゴズペラーズは全部バックがゴスペラーズだもん。
Excite:民生さんとは飲み屋で出会ったと聞いたのですが。
藤 井:出会いはね、渋谷のライヴハウスにジートルズを観に行ってそこで飲んで。『BS☆フジイ』にも最初のゲストで出てもらって。世代的にね、ほとんど一緒なんですよ。
Excite:この「SUNNYで!」だけ歌詞が共作ですよね。
藤 井:民生くんが最初のAメロの部分だけ歌詞を書いてきて「あとはよろしく」って。サビは俺が書いてる。でも、思いっきり、民生節っていうか。民生くんの気分で(歌詞)乗せてたからね、俺。「民生くんも歌ってね」みたいな気持ちで書いたから。
Excite:それから、横山剣さんが作曲の「Down Town Rain」は歌詞をフミヤさんが書かれていて。
藤 井:これは最初から「詞は書いてくれ」って言われてて。こちらからの発注は70年代とか80年代のディスコっぽい曲を書いてみてって言って。だから演奏もそれっぽく作った。詞のイメージは(横山)剣さんだからなんとなく横浜なイメージ。ランドマーク辺りの感じ。ちょっとドラマの主題歌っぽい感覚の書き方はした。シングルに持って行けそうなくらいの感じで、90年代初頭とか、80年代後半とかのドラマの主題歌、“月9”みたいな。
Excite:そして、このアルバムで唯一、フミヤさんが作詞・作曲された「未来永劫」なんですが。
藤 井:これも九州のテレビ局(KBC九州朝日放送)なんだけど、「キャンペーンのテーマソング書いて下さい」って言われて、サーフミュージック的な、ギター1本でも歌えるようなものにしようと。テーマが水と緑だから、海の家とかで歌えるような感じのものにしようやって言って。
Excite:今作は色んな人とコラボして、それを藤井フミヤがシンガーとして歌い上げるっていうコンセプトだと思うんですが、そこに藤井フミヤという作家も入れたという。
藤 井:結果的にはそういうふうになったね。これは自分で書いてるから入れるの止めようよっていうのは無かったね。1曲ぐらい入ってても良いんじゃない?っていう。この曲は恋愛っぽいけど恋愛じゃない、メッセージソングなんで。だからこういうメッセージ的なものをね、一個、入れといた方が良いかなぁって。
Excite:それは全体を俯瞰で見て?
藤 井:そうだね、このエコな時代に。なんかこういう詞ってさ、意外と書きづらいというか、全然、男女恋愛じゃないじゃない?しかも応援ソングみたいなものでもないし。だから、こんな時にじゃないと作れないじゃんこういうのって。「水と緑について書いてくれ」みたいなのがないと。だからこれも一緒に入れといたら?みたいな。
Excite:この曲はすんなり出来た感じなんですか?
藤 井:そうだね、地球というずっと循環していくシステムっていうのが、いつも心にあったことだから。パパパッと書いちゃったね。
Excite:このアルバムの中で、他の作家の作品と並ぶ中で敢えて自分色を出さなきゃみたいなプレッシャーがあるのかなぁと思ったんですが。
藤 井:あんまり無いね。だから深い考えとかも無いんだけど。「取る側にとっては深く考えてくれれば良いじゃん」みたいな。
Excite:私は、この「未来永劫」でアルバムを終わりにしても良いんじゃないかって思ったのですが。
藤 井:それは、ちょっと悩んだとこだったね。最初は「未来永劫」を最後にしてたんだけど、なんかやっぱり最後は盛り上がって終わった方が良いかな?って。「未来永劫」ってゆっくり盛り上がっていくから。この曲で一応、本編が終わって、「JOIN TOGETHER」でアンコールみたいな。コレクターズで終わるのが良いかなぁって。先輩ミュージシャンの加藤さんを立てて(笑)。あと、終わり具合がね、<やろうぜ・・・>って言って終わるから。この先も「やろうぜ」って続いていく感じで。最初は、<始まりの合図は聞こえた>って始まるから。
Excite:あっ、本当だ。
藤 井:これは安岡くんに「ゴスペラーズ1曲目かもよ」って伝えといたから、ちょっと意識してその一行を書いたみたいです。
Excite:その他、曲順で悩んだところはありましたか?
藤 井:フジファブリック辺りは難しかったね。TRICERATOPS、ゴーイングのこの3つはね、どう並べても年代が同じなせいか繋がりは大丈夫だったんだけど。あとベンジーのやつ(「ヒカリ」)とかね。
Excite:浅井さんがこういうバラードを書いたのが意外でした。割と他の楽曲は自分色を前面に出したものが多い中で、この曲はフミヤさんが歌うことを意識して作られたような。
藤 井:でもベンジーのデモテープ聴いたら思いっきりベンジーだからね。「これ俺も歌うから」ってデモをもらった時に言われたね。だから、「頼むから俺より先に出さないでくれ」って(笑)。
Excite:それぞれの提供者から、「こんな感じで歌って下さい」みたいな、リクエストはあったんですか?
藤 井:いや、ほとんどデモテープの彼らの歌に寄り添って歌ったから。マッキーのやつ(「着メロ」)なんて逐一全部。1番と2番でメロが全部違うんだよ、そこの細かいとこも全部。あと、譜割りが難しかったのがシンタくんのやつだね。ここで普通切らないとか、ここでこの押し込みはない、みたいな。作曲は佐橋くんである程度のメロはあったんだけど、シンタくんがそこに字余り字足らずは当たり前の如く詞を書いてきたから。そっからシンタくんのメロになってるっていう。
Excite:作詞という名の作曲をしちゃってる。
藤 井:細かいところは全部、シンタくん。詞を入れた段階でもうシンタくんの曲。
Excite:なるほど。このアルバム、ホントに掘りどころがいっぱいありますね(笑)。
藤 井:俺も何度も聴いたけど、まぁ面白いね。
Excite:他に無いと言うか、フミヤさんの25年のキャリアによって、こういうバラエティーに富んだ人達に曲を提供してもらえるようになって。さらに、シンガーとして自分で作った以外の曲も歌ってきたから出来るという。
藤 井:そう、ずっと自分で作詞・作曲した曲しか歌ってない人には無理だね。ヴォーカリストとして幅広いからね。
Excite:しかも自分より若手の曲も、その人の個性に寄って歌っているっていう。
藤 井:そうだね、そこは相手側に染まったほうが面白いんじゃないかなと思って。勉強になったよ、すごい勉強になった色んな意味で。詞も勉強になるし、譜割りも勉強になる。フジファブリックとか俺には書けない詞だよね。あとこうバンドを見てると楽しそうだなっていう。
Excite:では、このアルバムを作り終えて、次のフミヤさんが目指すところをお聞きしたいなと思うんですけど。
藤 井:もうちょっと(この方法で)やっても良いかなって思うよね。それで色々勉強して、また、基本に戻って、作詞・作曲するみたいな。
Excite:今作がリリースされてすぐにライヴが始まりますね。今作の曲を中心にやる感じですか?
藤 井:そうだね。それに歴代のアルバムで書いてくれたアーティストの人、布袋(寅泰)さんだったり、桜井(和寿)くんであったり、そこら辺の曲をどんどん入れていって。他の人が俺の為に書いた曲で構成しようかなと。
Excite:では、最後にこのアルバムを聴いて下さる皆さんに一言お願いします。
藤 井:これはねぇ、一曲一曲が良い曲だからね。色んなパターンの藤井フミヤのヴォーカルを聴いて欲しいって感じだね。それから、曲を提供してくれた人達のファンにも聴いて欲しいよね。買わなくても良いから聴いて欲しいよね。買ってくれるならもっと良いけど(笑)
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