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<収録曲>
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アルバムとしては約2年半ぶりとなるグループ魂のニューアルバム『ぱつんぱつん』。CDに収録出来る分数“78分”という限界に挑み、78分10秒という収録分数でまとめられた全27曲(コント含む)。曲間を詰め、曲もコンパクトに凝縮し、グループ魂の息遣いまでも濃度濃くパックしたこの『ぱつんぱつん』について、“暴動”こと宮藤官九郎氏と共にサウンド・プロデュースを担ったギターの“遅刻”こと富澤タク氏に今回の『ぱつんぱつん』の全収録曲(コントを除く)を解説してもらった。その言葉であらわになるのはグループ魂が今作で挑んだ挑戦の数々!
(取材・文/えびさわなち)
01.「七人のParty」
| アルバムを作るにあたって、最初のテーマとして「パーティーみたいな、楽しい感じのアルバムを作りたい」っていう話になったんです。アルバム作りへの取っ掛かりがないと漫然として始められない感じがあったので。久し振りのアルバム制作でしたし。それに伴って、パーティーのイメージで作った曲です。サウンド的には静かなところと激しいところの落差を意識して作りましたね。静かなところは寂しくならないギリギリの静かを。激しいところはこれ以上騒げないくらいまで激しくして。ちなみにカヲルさんの「ごめんね」っていうセリフは60回録りました(笑)。暴動が気に入るテイクまでかなり粘っていましたね。 |
02.「アイサツはハイセツよりタイセツ」
| 暴動と破壊がデュエットというか、半分ずつメロディを割って歌ったのは、恐らくこの曲が初めてのことなんですね。その割り振りも結構、アイディアがあったんですけど、現在のこの形にまとまって良かったと思っています。8ビートの曲としてはグループ魂が今までやってきた楽曲で最も速いビートなんですね。楽曲を作る時から速い曲にしようっていうのは意識していましたね。「せっかくだから今までにない速さで」って。石鹸の叩ける8ビートの限界を模索して、この速さになりましたね。石鹸自身は「これは何回も叩けない」って言ってましたね。一回叩くと右腕がパンパンみたいです。 |
03.「High School」
| 初めて歌にオートチューンをかけました。Perfumeに対するグループ魂からのアンサーソングですね…というのは冗談ですけど(笑)。まぁ、面白いなと思っていたんです。オートチューンでグループ魂っていうのが。あとは、あからさまにシンセサイザーを導入した曲が今までなかったので、「そういうものもやってみたいね」って話をしていたのもあって。バカバカしいくらいのシンセのフレーズを入れて、そこにガレージロックンロールっぽい感じがうまく掛け合わせることが出来たんじゃないかなと思っています。それと間にある女子高生のセリフのバランスを取るのに苦心しました。最後の破壊の痰吐きはすごいですね(笑)。 |
05.「有名になりたい」
| 「○○したいシリーズ3部作」なんです、ここから3曲の流れは。最初、3部作の歌詞が3つあって、どう割り振ろうかって話になったんですけど、挙手制になって。これは僕が書きました。今までは歌詞を曲でデフォルメするという手法だったんで、今回のアルバムでは「曲を先に作ることもやってみよう」っていう話になっていたところにこの歌詞は僕が前に作っていた曲にハマりそうだなって思ったので、この歌詞を僕がもらって曲を書いたんです…でも結局、作ってあった曲では全然ない感じになったんですけどね(笑)。大ホールロックみたいなイメージにした一曲です。ライヴでみんなで歌えると良いかなって。そんなイメージですね。 |
06.「アイス食べたい」
| 「○○したいシリーズ」での挙手制で、小園くんが書くことになった曲ですね。それで小園くんが作ってきてくれたデモというのが意外にアレンジ的に色んな可能性があったんです。それでそこから色々と練っっていった曲です。泣きメロみたいなメロディの感じとパンクの雰囲気がうまく融合しましたね。グループ魂の中では泣きメロみたいな曲は珍しいですよね。ツービートものみたいなパンクという意味では。そんな練りに練ったアレンジ面は、前半では僕のアイディアでちょっとニューウェイヴっぽくしたんです。それと合間にちょろちょろっと出てくるドラムソロの部分にもこだわりましたね。 |
07.「沖縄行きたい」
| 「沖縄に行きたい」って人の歌です。最初は「沖縄訛りで歌おうか」っていう話もあったんですけど、よくよく歌詞を読んでみると「沖縄に行きたい」人の歌であって「沖縄の」人の歌ではないねってことに気がついて、破壊がいつのまにか東北訛りで歌うことになっていたっていう曲ですね。これはグループ魂的には王道の曲ですよね。ビートパンクっていうか…。あれ?最近ってビートパンクって言わなくなりましたよね。でもこの曲はストレートなパンクロックで、ちょっと安っぽさもある感じは80'sパンクみたいな音だし、ビートパンクって言いたいですね(笑)。 |
08.「片付けられない7days〜グループ魂に杏子が〜」
| バービーボーイズへのオマージュですね(笑)。いきさつとしては、「こういうのやりたいね」って話てて曲も出来ていたんですけど、「杏子さんがいないと出来ないね」って言ってて。でも杏子さんが「やります」って言って下さって実現した曲ですね。バービーのギターのいまみちともたかさんにも聴いて頂いて、賛辞を頂戴したんですよ!あの当時のバービーの持つニューウェイヴな雰囲気の曲調をグループ魂として現代に引き寄せて楽曲を作ることを意識したんですが、あまりグループ魂になり過ぎたらオマージュしているところから離れてしまうので、そのバランスは考え抜きましたね。結果としてアルバムで異彩を放つ曲になりましたね。 |
09.「センチメンタル☆トランジスタ☆お父さんGo!Go!天国」
| ミディアムなガレージロックというところがある意味、最近のグループ魂の王道な一曲ですね。これは歌詞が先にあったので、歌詞の世界をデフォルメしていったんですけど、ヘヴィというか、ドスの効いたガレージパンクみたいなものを意識して作りましたね。サウンド面ではギターのトーンを模索して精査していった曲で、ギターの音のダビング数も一番多いかもしれないですね。ギターとしては結構、色々とトライしましたね。Aメロのドラムンベースっぽいリズムもドラムの生音で「エッセンスとして織り込もうか」って話になってやってみたんです。サウンド的にはかなりトライのあった曲ですね。 |
11.「SHIKAN」
| これは、「ミクスチャーをやってみよう」っていうことで作った曲なんです。技術的に云々じゃなく気分的に、なんですけどね(笑)。もちろんグループ魂流にしているので、モロにミクスチャーなわけではないんですけど。ポップな部分とミクスチャー的なギターのリフとの両建てで。サウンドの作りも低音が多めのギターサウンド。ミクスチャーみたいなものは時々織り交ぜてはいたんですけど、どこか照れくささがあって避けていたんですよね。今っぽいミクスチャーよりは70年代っぽくしたりして避けていたんですけど、今回は一度、やってみようかって。ヘヴィなギターリフとメロディアスなメロディに加えてファンキーな感じも出しました。 |
12.「CBGB」
| ストレートなナンバーですよね。これを言うと石鹸は嫌がるんですけど、石鹸以外の全員が後で口を揃えて言っていたのが「ナゴム・レコードが全盛だった時代のパンクっぽいなぁ」ってことでしたね(笑)。そうは言ってもこのストレートで明るいパンクロックな感じはグループ魂っぽいと思いますね。あんまり明るいのも実はないんですけどね。明るくても歌メロとかギターの音にブルーノート的なブルージーなエッセンスが入ったりするんですけど、この曲はメジャーコードで押し通している感じ。レコーディングで演奏していても新鮮でしたね。 |
13.「子供って臭いね」
| これはファンク・ロックにトライした曲です。割りと上手く出来たと思いますね。ファンクとグループ魂の持っているガレージの質感みたいなものがミックスされた感じが。これは子供を持っている人は必ず「面白い」って言うんですよね。実感があるんでしょうね。そうやって聴くと「そうなのか。子供って臭いのか」って思ったりもして。暴動の切り口の切れ味に改めて驚嘆しましたね。あとは破壊も突き抜けるパンクな歌い方が上手いんですけど、ファンクみたいな歌い方を試したいなって思ってチャレンジしてもらったら、やっぱり上手でしたね。裏の掛け声とか。破壊の歌が新しい感じで気に入っています。 |
15.「筋肉PUNX〜三宅弘城40歳記念ソング〜」
| ストレートに80'sパンクの影響をモロ出しにした一曲です。しかも“40歳記念”ということで三宅弘城(石鹸)が初めて一曲通してメインボーカルを取ったんですが、とにかく暑苦しいですね(笑)。「80'sパンクのド真ん中の音にしよう」っていうのは暴動が歌詞を書いた時点でイメージがあったんだと思います。これはわりかしサウンドありきで成り立つ歌詞の雰囲気でしたし、石鹸が歌うことも決まってましたしね。とにかくストレートでパンチがある。この曲を簡潔に表現する言葉を探すとさっきも言ったんですけどやっぱりどうしても「暑苦しい」ですね(笑)。 |
16.「スシ喰うな!」
| サウンドとしてはメタルとハードロックの間みたいな感じで、僕らは“メタル・ガレージ”って呼んでいるんですけど。モーターヘッドみたいなイメージですね。この曲は曲が先に出来て、そこに暴動が歌詞を作ったんですけど、破壊は「この曲は誰目線なのか分からない」って言ってましたね。マグロの目線なのかすし屋の目線なのかって。「どこに向かって歌えば良いんだろう」って言ってましたね(笑)。歌詞を書いた暴動自身は正直「書きづらい」って言ってましたしね(笑)。僕は新鮮でしたけどね。この曲からこういう歌詞が生まれて、乗っかったらこういう雰囲気になるんだって。ビックリしたというか、とにかく新鮮な印象でしたね。 |
17.「欧陽菲菲〜グループ魂に横山剣(クレイジーケンバンド)も〜」
| 一番、時間が掛かりましたね。要するに作る時に曲を作った人のイマジネーションに寄っていって曲を膨らませていくことが多かったんですけど、これは歌詞も曲も横山剣さんということで曲の解釈から入ったので。しかもデモがキーボードの打ち込みであったのをどうギターでアレンジしっていくか。結構、話し合いましたね。クレイジーケンバンドみたいになっても違うし、グループ魂過ぎても違うしって。雰囲気としては後期クラッシュみたいな感じのところに落ち着ければ良いなっていうことで進んでいきました。しかもサックスを録音でまともに入れたのは初めてなんです。今までにない雰囲気になりましたね。 |
19.「ブログやめました」
| バイト君のハープをフィーチャーした曲ですね。以前はもっとフィーチャーしていたんですけど最近はちょっと少なめだったので。「ニューオリンズのリズムを取り入れてやってみよう」っていうテーマで曲を作っていたんですけど、ゆっくりになっちゃうとグループ魂っぽくなくなっちゃうかなってことで、ニューオリンズっぽいリズムながらなるべく速くしましたね。そこでグループ魂っぽくなったなと思いましたね。レコーディングの時もバイト君には割りと頑張って吹いてもらったんですけど、もうレコーディング自体随分前なので今度はライヴで聴かせるためにも、頑張って練習してもらいたいですね。 |
20.「パッとしねぇ」
| ブリティッシュビートのリフを意識しましたね。キンクスみたいなリフで曲を引っ張っていくような曲をやりたいなって思って僕が持ってきて、そこに暴動が歌詞をつけた、曲が先の一曲です。これのAメロに破壊のセリフが入るんですけど、歌でもなく、語りでもなく、コントでもないセリフを音楽の中にはめたというのは初めてですね。これはどうやってはまるのかな?って思っていたんですけど、破壊が「パッ!」とはめたんですよね。役者をやっている人の感覚なのかなぁって思って。セリフを時間内にある一定の場所に収める技術はすごいなぁって。音楽の人には出来ないなって、ビックリしました。 |
21.「勃発!バンド内抗争〜グループ魂にスチャダラパーまで〜」
| スチャダラパーさんに手伝って頂いた曲です。オケ作りも含めて、この曲は唯一バックトラックをスチャダラパーさんにお願いして、ギターとベースを僕がグループ魂から出張して参加して、スチャさんの現場で共同作業したオケなんです。そういう意味でも面白かったですね。ラップ専門の人たちとの共同作業は新鮮でした。これはサビだけ僕が作って、コントは暴動さんの脚本によるものなんですけど。現場で結構、スチャさんからもアドリブのアイディアを出して頂いて、色々と内容も変わっていったりして、面白かったですね。普通に録り終わったら10分以上の収録時間だったので、密度を上げてコンパクトにしていきましたね。 |
23.「あの娘オレが歯列矯正したからってあんな顔するとはな」
| これも今までグループ魂がやっていたようで実はやってきていなかったド真ん中のハードコアですね。ここまでのド真ん中はやっていなかった感じじゃないかと思います。トラックとしても一番収録分数が短くて、しかも暴動がメインボーカルで歌っているっていう曲ですね。曲としては一番最後に作った曲になったんですけど、歌詞が出来たところで暴動には「これは石鹸で」っていうのがあったみたいで「石鹸が作るんだし、せっかくだからハードコアでお願いします」っていうのも暴動が言ってたからハードコアになるべくしてなった曲ですよね。 |
24.「オクサーヌ」
| ザ・ポリスへのオマージュですね。曲を作っていた時にポリスが来日公演をしていたんですよ。そういう世の中の流れは積極的に取り入れている感はありますし。サウンドはもちろんそうなんですけど、歌詞もネタというか引用的なものはやってます。今回も作っていて楽しかったですね。でもオマージュとは言え、グループ魂っぽくしたい。エッセンスとして取り入れたことはあるんですけど、リズムも含めて全体的にレゲエ調にしたのは初めてのことだったと思います。それと、歌詞がすごいですよね。奥さんですもんね。暴動は、歌詞を書いている時に丁度そんなテレビ番組でも観ていたんですかね(笑)。 |
26.「おかあさん」
| アルバムのリード曲になっている曲ですが、これもグループ魂の中ではかなり変化球なんですよ。ギターパワーポップみたいな曲なんですけど、どうせなら、どっぷりとこういうタイプのサウンドをやってみようかって言って、グループ魂の音をパワーポップに寄せていきましたね。普通だったらあまりしなかった泣きメロのリフとかメロディとかコーラスとか。照れくさくてやらなかったことをあえてやっていった感じですね。ライヴで一回やったんですけど、みんなポカーンとしていましたね(笑)。まぁ、それはそれでよし、みたいな。逆にやってやったという感覚でしたけどね。変化球としてセリフも歌詞も 面白いですよね。 |
27.「くん兄さんVSアン姉さん」
| 大いに下ネタですよね。下ネタでアルバムを締めるというのはグループ魂らしいと思います(笑)。『おかあさん』で結構、良いことを歌っているので、「その後にくるのがこの曲で良いの?」っていう残念な感じが“らしい”んですよね。バンドのヨレっぷりを大事にした曲なんです。あまりちゃんとしたらつまらなくなっちゃうなっていうのがあったので、ヨレヨレ感みたいなものをあえて残しました。それにしてもこの曲まで、78分10秒によく収まったなぁとは思います。もんどりうって作ったなぁ、と。でも煮詰まることはなかったし、調子よくアルバムを作れたな、とラストのこの曲を聴くと思いますね。 |
