たくさんの愛と笑顔と拍手に支えられた、日本武道館ピアノ弾き語りライヴ
 昨年、日本武道館の歴史上初の<ピアノ弾き語りライヴ>を成功させたアンジェラ・アキが、今年も武道館のステージに立った。クリスマスということで、会場には青い光をまとったツリーが美しく輝き、サンタの帽子を被ったファンの姿もちらほら。客席を埋めた1万4千人が、黒いグランドピアノだけを乗せた円形ステージをグルッと取り囲んでアンジーの登場を待っていると、まるで舞い降りる雪のような幻想的な照明の中、アカペラの「Silent Night」が聴こえてきた。ハンドマイクで胸を張って歌う彼女の姿は本当に美しく、そんな一瞬からも、日々を真っ直ぐに見つめている彼女の生き方が伝わってくるようだ。かけがえのない気持ちを綴った「HOME」からはいよいよ、アンジェラ1人とピアノ1台きりのステージが幕を開けた。

「今日はこの”大きなタマネギ”の下で、みんなとひとつになりたい!」
感謝を込めた熱いMCに導かれ、みんなの興奮と手拍子が武道館を揺らした「TODAY」、息を飲むような「孤独のカケラ」と進むにつれ、アンジーとの距離がグッと近くなっていく。時には真正面からぶつかってくるような、またある時にはそっと抱きしめてくれるような彼女の言葉は、英語でも日本語でも、カバーでもオリジナルでも一切の壁を作らない。「On&On」や「Again」の躍動感を目の当たりにすると、大人ぶったりカッコつけたりしてしまい込んでいた素直な感情が次々と揺り起こされるようだ。中盤ではまるで友達を招くかのようにリビングのセットが施されたのだが、ここでは曲作りの原点を思わせるリラックスした雰囲気の中、おしゃべりと曲と赤ワインが進んでいく(笑)。飾らない人柄からもメロディーが聞こえてきそうで、会場みんなが笑顔になっている。前回のライヴよりも、ついさっきよりも、ますます彼女の音楽が愛おしく思えたのは私だけじゃないはずだ。

 昨年の武道館では、夢を見続けることが大事だと謳った「サクラ色」が初披露され、その後たくさんの人の心を震わす名曲として成長してきたが、今年は「ONE」と言う新曲が発表された。この日、ライヴをともに楽しむための演出として、ひとりひとりの客席にアンジーから2つの封筒が届けられていたのだが、「人生の天気予報は今日みたいに晴ればかりじゃない。暗闇の中で孤独になっても、信念が揺らぎそうになっても、自分の中にある光を見失わないで」という彼女のメッセージを受け、そのうちのひとつに入っていたライトが一斉に灯された。光の海となった武道館にこだまするアンジーの声とオーディエンスの声。<音楽でつながる>という言葉の本当の意味が実感出来たようなその瞬間にこそ、ここから何かが変わるような、音楽の力をあらためて信じたくなるような奇跡が生まれていたように思う。その響きはきっと、世界中のどの教会の賛美歌よりも美しく聖夜の空を彩っていたはずだ。
(取材・文/山田邦子)
(撮影/田中栄治)
M1. Silent Night   M10. 友のしるし   <アンコール>
M2. HOME   M11. ウィーアー・オール・アローン    EN1. 愛は勝つ(KAN)
M3. TODAY   ※オリジナル日本語詞 洋楽カバー
  EN2. One Melody
M4. 孤独のカケラ   M12. ウィズアウト・ユー 
   
M5. ラスト・クリスマス ※洋楽カバー   ※オリジナル日本語詞 洋楽カバー    
M6. On & On   M13. ONE ※新曲・発売未定    
M7. Kiss Me Good-Bye(English version)   M14. Again    
M8. This Love   M15. たしかに    
M9. サクラ色        
         
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