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総力特集 Vol.13 清水翔太 TOP
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Umbrella   『Umbrella』全曲解説
 
<収録曲>
01.Diggin' On U
02.HOME
03.With You
04.My Treasure
05.One Last Kiss
06.Love Story
07.Rainy Day's Morning
  08.UNHAPPY
09.LOVIN U
10.「アイシテル」
11.My Love
12.Soulmate
13.ソレゾレ
Bonus Track:HOME-HIPHOP REMIX

1stアルバム『Unbrella』は、清水翔太にとって人生初となるアルバムだ。そこには、弱冠19歳とはいえ、彼のこれまでの人生の全てが詰め込まれている。その衝撃的なデビューを飾った1stシングル『HOME』から、曲作りを始めたばかりの初々しさが残る『My Love』、自らの親友への思いを綴った『Soulmate』、そして、現在の彼が振り返るこれまでの人生をテーマにした『ソレゾレ』・・・。「聴いてくれる人達の心の傘=Unbrellaになれたら」という想いを込めて集められた全13曲(+ボーナストラック)について、彼自身の言葉で解説してもらった。
(取材・文/猪又 孝[Do The Monkey])

Diggin’On U

これはライヴを想定して作った曲です。実際ライヴでは毎回1曲目にやっているし、それもあってアルバムの1曲目にしました。あと、これは携帯小説の『チェンジ・ザ・ゲーム』とリンクして生まれた曲です。その小説の主人公と僕がすごく自然にリンクしてたんですね。主人公はヒップホップに興味持ってラップをしてみたりするんですけど、その小説が始まった頃、僕も日本のヒップホップに興味を持つようになって聴き始めていたんです。そういう中でラップを初めて書いてみた曲なので、今聴くと、すごく不思議な感じもありますね。韻の踏み方とかラップのシステムとかをイマイチ理解出来てない中で書いた感じがすごくあります。逆に新鮮、面白味がありますね。

HOME

17歳の頃に書いた曲で、僕自身の経験を赤裸々に書き殴るように歌詞を書いたし、この曲を作ったことで明確に自分が曲を作る理由とか自分の曲の作り方っていうのがしっかり見えたんですね。そういう意味では自分の原点というか、デビュー・シングルになるべくしてなった曲だなと思っています。ただ、あまりにも赤裸々過ぎて、2年経った19歳の僕にはもう無ない感情もたくさん入っていますね。でも、本当に当時のリアルを描いてると思うし、いつの時代にもいる“17歳の人達”に聴いてもらいたいなと思います。あと、この曲は歌う時のことを考えずに一行一行細かく作っていっちゃったから、今歌うとブレスが大変(笑)。皆さんがカラオケとかで歌うときはしんどいと思うんですよ、だって僕もしんどいんだから。それは申し訳ないなと思ってます(笑)。

With You

最近の僕のテーマを詰め込みました。世の中にある全てのものは時間の経過や自分の置かれている状況で、大切なものだったり素晴らしいものになり得るって最近、思ってるんですね。例えば、春の日差しとか夏の風とか秋の空とか冬の街とか、普段は当たり前過ぎて気に留めないことも一緒にいる人によってはすごく輝いて見える。もしかしたら街の喧騒や人混みは、気にしないどころか嫌いなものかもしれない。だけど、そんなものさえも一緒に過ごす人によっては輝いて見えたりするっていう、そういうことを歌った曲です。音はちょっとロック寄りかな。デモを作った時点で、それまではあんまり使ってなかったエレキギターの音とかスタジオで叩くドラムっぽい音を使いました。素朴だけどキラキラした感じをイメージして作りましたね。

My Treasure

これは「HOME」から2年くらい経って書いた曲。その2年というのは今の清水翔太のほとんどが作られたかもしれないっていうくらい、すさまじく大きな2年で、変化とかや成長とか出会いがたくさんあったんですね。でも、そんな中でも、今の自分の軸を作った大事な出会いや昔から変わらないものもやっぱりあって、それが“My Treasure”なんじゃないかなと思って書いたんです。多くの変化があったからこそ、今書くべき歌はこういう歌なんじゃないかと思って書いたし、「HOME」から2年後の清水翔太自身が書かれてると思う。ただ、歌いやすさ的には「HOME」の時のリベンジを果たしました(笑)。だいぶブレスはし易くなってると思いますよ(笑)。

One Last Kiss

「Diggin’ On U」の後に作った曲で、ラップもしてるし、レコーディングも楽しかった曲です。曲を本格的に作り始めた2年前は自分がラップをするなんてことは全く想像してなかったですけど、今ではラップをすることがすごく好きになって。これはラブソングですけど、たまに攻撃的なラップをしたいなって思うときもあるんですね。そういう時はその気持ちを満たすためだけにトラックを作ることもあるくらいですから。これはサウンド的には元気な感じなんですが、どこか切ないみたいな、“元気セツナイ”感じを表現したかった曲。ストーリー性の強い歌詞だし、想像力を掻き立てるようなトラックになったと思うので、楽曲の世界に入り込んでもらえるんじゃないかと思います。

Love Story

トラックを自分で作り始めて4〜5曲目くらいの曲。初期の曲なのでメロディの作り方とか歌詞の作り方とか、今はあまりやらないようなことをいっぱいやってます。冬をイメージして作った曲で、匂いとか温度とかを感じ取り易い曲かなと思っています。歌詞のテーマは失恋ですね。相手への未練もあるし、悔しさもあるけど、感謝も含めて、一人で終わった恋をゆっくり思い出してますっていう曲。「One Last Kiss」も失恋ソングだけど、あれはどちらかというと進行形な感じなんです。文字通り最後のKISSをし始めてから、し終わるまでに考えてること。だから、「One Last Kiss」は厳密にいえば、まだ恋は終わってないかも、っていうときの歌。でも、あと何秒後かには終わるっていう(笑)。2つ共失恋ソングですけど、内容は全然違いますね。

Rainy Day’s Morning

僕としては恋人同士のケンカを描いた曲です。ジャズ・テイストで自分の新境地だと思うし、これもレコーディングが楽しかった。なぜジャズかというと、何かそういうモードだったんですよね。雨の日の朝にこういうことを考えていて冷めたコーヒーとかあったんじゃないかな……(笑)。ピアノを弾きながら詞と一緒に作っていったんですけど、元々デモもジャズっぽい音で作っていて、アレンジャーさんにも「生演奏で気だるい感じでお願いします」ってオーダーして作ったんです。ジャズは詳しくはないんですけど、一時期はレコードを買い漁ったりしてました。特に好きなのは、ビリー・テイラーっていう人の「I Wish I Knew how it would feel to be free」。ライヴ・ヴァージョンなんですけど、ジャズの中では最高に好きですね。

UNHAPPY

これも自分の新境地と思う曲。マーヴィン・ゲイとかダニー・ハサウェイとかディアンジェロとかが好きですけど、イマドキのR&Bももちろん好きなのでこういうのも作るんです(笑)。歌詞のテーマはバッド・ガールですね。バッド・ガールにアンハッピーにされる男達みたいな。僕もそういう歌を書けるんだ、書くぞっていう思いで作りました(笑)。でも、この曲ではそんなにバッドガールを責めてないんですよね。「あいつめ!」って言いたいんだけど言いきれない。明らかに相手が悪いんだけれども、「自分も悪かったな」とか「それでもまだ好きなんだよな」とか。でも、そこが僕らしいかなと(笑)。僕はそんなに怒らないタイプですからね、特に女性に対しては。そういうところも共感してもらえるとうれしいですね(笑)。

LOVIN U

ブラック・ミュージックが好きで吸収してきて、「だから思いっきり濃く黒い曲を」って思って作ったら、歌詞はピュアというか、きれいでスウィートな感じになった曲。その辺のバランスが僕特有かなと思ってます。この曲で表現したかったのは愛しさですね。大切な人を失うことの恐怖も描いてますし、そういう人に対する感謝を歌いたかった。すごく自然に隣にいてくれたりするけど、冷静に考えたらすごく大切だし、感謝しなきゃいけないなっていう気持ちを歌った曲なんです。そうやって好きな人への愛をストレートに歌った曲だし、エヴァーグリーンな感じもあるし、結婚式とかで歌ってもらえたらうれしいかも。曲が出来たときは喜びもありました。

「アイシテル」

セカンド・シングルとなったこの曲では、10代特有のピュアさ、不器用さが出せたと思ってます。10代の時って、すごく大切なものでも、それがどれくらい自分にとって大切かっていうことを証明する術が分からないんですよ。好きな人に「愛してる」って言えば伝わるかな?って思いつつも、その「愛してる」の伝え方も下手くそだったり、ぎこちなかったりする。そういう、自分の大切なものに対して大切だって言えない感じ、その大切さを証明出来ない弱さを歌った曲です。これは好きな人に対して素直になれない人とかに聴いてもらいたいですね。それとか、元々持ってた純粋な気持ちが見えなくなってたり、忘れかけてるような人たちに、これを聴いてもう一回、「好き」とか「愛してる」とか「大切だ」っていう気持ちを思い出してもらえたらうれしいです。

My Love

13歳とか14歳の頃に作った曲で、アルバムの中で一番古い曲。その頃はコード進行も分からなければトラックを作る機材もないので、詞を書いて何となく歌ったものをテープレコーダーに録ってたんです。で、今回、ふとこの曲を入れたいな、しかもギター一本でやってみたいなと思って、石成(正人)さんにエクストリームの「More Than Words」みたいな感じでやってみてくれませんか?ってお願いして作りました。13歳の時に書いた歌詞だから、19歳の僕からするとすごくかわいいんですよね。なんか夜中に一人で書いたラブレターみたいな感じ(笑)。そんな年齢だから何も背負えないし、何も出来ないのに、「もう離さない」とか言えちゃうピュアさは、それはそれで13歳のリアルだなと思って、歌詞は変えずに収録しました。すごくキュートな曲だと思いますね。

Soulmate

大阪にいる17歳くらいの時に書いた曲。ソウルメイトという言葉は大阪の友達が教えてくれたんです。価値観とか思想とかが似ていて、喜びとか悲しみを共有出来る同じ魂レベルの仲間をソウルメイトと呼ぶらしいよと、ソウルメイトから教えてもらいました。で、お互い夢があるし、お互い大人になってる途中で、このまま行けばなかなか会えなくなったりするんだろうけど、彼とはソウルメイトでいたいなと思って書いたんです。あと、これはアレンジでガラッとイメージが変わりました。ギターのカッティングが気持ち良い、90年代のR&Bフレイバーがする曲がアルバムに欲しかったんですけど、自分で作れなくて悩んでたところにこの曲がそういう風に仕上がってきたからうれしかったです。このアレンジになって、より力強さというか決意感みたいなものが出たと思います。

ソレゾレ

曲のテーマは僕の人生です。僕自身、10代は色んなことを知ろうとしたり、何かをつかもうとしたり、大人になろうとしたり、すごくもがきましたけど、今思えば、結局何にも分からなかったなって思うんです。でも、分かんないままで良かったかなとも思うんですよ。それがきっと10代の特権だと思うし、そうやってもがいたり走ったりしてきたことはこれから大事な局面で振り返ると思うし、そういう中で出会った全てのものがこれからの自分を支えていく財産になると思うから。そういう10代の全て――僕が19年間の人生で感じたものを全てこの曲で描こうと思ったんです。そしたら、芯の強さみたいなところを出しつつ、すごく優しくて穏やかな曲になりました。これから先、自分を支えていく曲になると思うし、自分にとってすごく大切な曲が出来ましたね。

HOME −HIP HOP REMIX-

トライブ・コールド・クエストのALIにリミックスしてもらいました。トライブはフツーに聴いてましたけど、ALIっていうとディアンジェロの「Brown Sugar」の制作に関わってた人とか、そっちのイメージが強いんです。だから、まずは彼の一連の作品に僕の名前も入るんだなぁっていうのが感慨深かったですね。仕上がった音を最初に聴いた時は不思議でした(笑)。自分で作った曲だから余計に「これ(音の作り方が)どうなってるんだろ?」って。でも、聴けば聴く程ベースラインとかピアノのループとか、すごい絶妙なバランスでかっこ良かった。ただ、すっごいかっこ良いし、超自慢の一曲ですけど、これが誰かのUmbrellaになるかな?と思った時、少しずれるかなと思ったのでボーナストラックにしたんです。アルバムとはちょっと違う感覚で楽しんでもらえるとうれしいですね。
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